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今回は簿記で勉強した貸借対照表と損益計算書を使って、投資判断をしてみよう。
実際に投資を行うときにどんな観点から会社(財務諸表)をみればいいか紹介するよ。
まずは次のA社とB社、投資するならどっちか考えてみて。
【損益計算書】 A社 B社
当期純利益 1億円 1億円
すぐわかると思うけど、この情報だけであればどっちでもいいよね。
どっちも同じく利益を1億円稼いでいる会社。
じゃー次に貸借対照表の数値を追加するね。
【貸借対照表】 A社 B社
総資産 100億円 40億円
資本金(自己資本) 50億円 10億円
A社は総資産100億円、資本金50億円とすごく大きな会社だね。それに対してB社は総資産40億円、資本金10億円とA社と比べると少し規模が小さくなるね。
投資をするときには色々な観点から分析をするんだけど、今回は収益性という観点から分析を行ってみよう。
最初にA社もB社も同じ利益を稼いでる会社だから、どっちに投資しても一緒じゃない!?って話したんだけど、同じ利益を稼ぐにしてもA社とB社じゃ使ってる元手の金額が全然違うよね。
A社は総資産100億円を使って1億円稼いだ。それに対して、B社は総資産40億円を使って1億円稼いだ。
もう感覚的に分かってると思うけど、収益性の観点からすると投資すべきなのはB社だよね。
同じ1億円という利益を稼ぐのに、より少ない資産で稼いでいるんだから。
今、総資産と利益の金額を比較したんたけど、利益を総資産で除した数値を総資産利益率(ROA:Return On Asstts)というんだ。
今回の例ではA社が1%(=1億円÷100億円)、B社が2.5%(=1億円÷40億円)だね。
この総資産利益率は収益性分析で一番よく使われる指標なんだ。事業に投下されている資産がどれだけの利益を獲得したかを示す指標だね。
つまり、ROAが1%のA社が100億円の資産を使ったら1億円稼ぐことが出来るのに対し、ROAが2.5%のB社が100億円の資産を使ったら2億5千万円稼ぐことが出来るってことだね。
次に利益と比べる数値に総資産ではなく、資本金(自己資本)を使えば自己資本利益率(ROE:Return On Equity)を求めることができるんだ。
今回の例ではA社が2%(=1億円÷50億円)、B社が10%(=1億円÷10億円)だね。
このROEは20%前後だとかなりの優良企業、10%〜15%くらいで優良企業、10%弱くらいで普通の企業だと言われるんだ。
ってことはB社はまあまあ優良な企業で、A社はむしろダメな企業ってことになるね。
どうかな?
利益の金額だけだと、A社とB社、どちらに投資すべきか判断できなかったけど、貸借対照表の情報を加えただけでグンと分析の幅が広がったよね。今回はすごく簡単な分析(基本中の基本)だったけど、これを知っておくだけでも財務諸表を見たときに分析する着眼点を持つことができるよね。
簿記で勉強した知識を使って、自分の勤めている会社、興味のある会社(好きなゲームを作っている会社など)を分析してみてね。