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第3節 5伝票制

り:今回から第3節、5伝票制をみていくよ。5伝票制は、入金伝票、出金伝票、売上伝票、仕入伝票、振替伝票の5つの伝票を使う方法なんだけど、このうち入金伝票、出金伝票、振替伝票の記入方法は3伝票制と同じなんだ。

ケ:じゃー3伝票制で勉強したことを復習しておけば大丈夫なんだね。

り:そう。ただ1点違うところがあって、3伝票制の場合には現金の入金・出金取引以外の取引をすべて振替伝票に記入してたんだけど、5伝票制では、現金の入金・出金取引と、売上取引、仕入取引以外の取引を振替伝票に記入するんだ。

売上取引と仕入取引は、それぞれ売上伝票、仕入伝票に記入するから、そこだけ3伝票制と違うんだ。

ケ:なるほどね。振替伝票に記入する形式は同じなの?

り:うん。仕訳形式で記入って所は同じだね。

ケ:わかりました。

り:よし、じゃーまずは売上伝票をみていこう。

1.売上伝票

り:さっきも、ちらっと話したけど、売上伝票は売上取引を記入するんだ。

ケ:うん。これも名前通り。

り:売上伝票への記入は、ちょっと変わってて、いったん掛けで売上げたと仮定して起票するんだ。例えば、現金売上の場合、まず掛けで売上げ、すぐに売掛金を現金で回収したと考えて起票するんだ。

ケ:へ〜、いったん掛けで売上げたと仮定するってことは、一度、売掛金として処理するってこと?

り:そう。例10−6で確認しよう。商品500円を売上げ、代金は現金で受取った、っとあるね。ケロちゃん、この取引を普通に仕訳するとどうなるかな?

ケ:商品500円を現金売上だから、借方、現金500円、貸方、現金500円だね。

り:そうなるよね。ただ、売上伝票に起票するときは、いったん掛売上を仮定するから、そうするとどういう仕訳になると思う?

ケ:え〜っと、掛売上を仮定ってことは、借方、売掛金500円、貸方、売上500円ってこと?

り:そう。そしてこの例は現金売上げだから、売掛金をすぐに現金で回収したと考え、借方、現金500円、貸方、売掛金500円という仕訳を追加するんだ。もともと一つの仕訳を二つに分けるイメージだね。

ケ:なるほどね。初めに出てきた借方、売掛金500円の部分と、後で出てきた貸方、売掛金500円の部分を相殺すれば、元の仕訳と同じだもんね。

り:そうだね。そしてこの二つの仕訳をそれぞれ伝票に記入していくんだ。まず、売掛金を仮定した、借方、売掛金500円、貸方、売上500円の部分を売上伝票に記入していくよ。

ケ:はーい。

り:売上伝票の勘定科目には、売上勘定の相手勘定、つまり売掛金を記入するんだ。そして金額は500円。

ケ:りっすん先生、テキストの吹き出し部分に、売上伝票の勘定科目は必ず売掛金になるってあるんだけど。

り:そう、そこが売上伝票のポイントなんだ。初めに説明したように、売上伝票は、一端掛けで売上げたと仮定して起票するから、売上伝票の勘定科目は必ず売掛金となるんだ。

ケ:確かにね。今回も現金売上だったけど、いったん掛売上を仮定したから、売掛金勘定を記入することになったんだもんね。

り:そうだね。残りの、借方、現金500円、貸方、売掛金500円の部分はケロちゃんに起票してもらおうかな。

ケ:うん、まかせて。えっと、借方に現金だから入金があったってことだよね。だから使用する伝票は入金伝票だよね。

り:そうだね。

ケ:そして、勘定科目には相手勘定の売掛金、金額は500円と記入。これで大丈夫だよね。

り:うん、ばっちり。売上伝票は大丈夫そうだね。じゃあ今回はここまで。次回もがんばろうね。