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3.原因判明時
り:前回のレッスンで勉強したように、現金過不足が生じたら『現金過不足』っていう勘定科目で処理していたけど、これは現金過不足の原因がわからないから、とりあえず『現金過不足』勘定を使っていただけなんだ。だから、現金過不足の原因が判明したら、その原因を示す勘定科目に振り替える必要があるんだ。
ケ:そっか。ちょっと質問なんだけど、振り替えるって何かな?
り:振り替えるっていうのは、ある勘定科目を別の勘定科目に変更することなんだ。これは実際に問題を見た方が早いから、例2−4をみてみよう。この問題は、例2−3の続きなんだ。前回確認したとおり、例2−3では200円の現金不足が生じていたよね。でも、現金が不足している理由がわからなかったから、借方に『現金過不足』っていう勘定科目を使っていたんだ。例2−4では、現金不足の原因が通信費(費用)だと判明したときの処理を問う問題だよ。この場合は、『現金過不足』勘定を『通信費』っていう勘定科目に振り替える必要があるんだ。
ケ:具体的にはどうやるの?
り:まずは、『現金過不足』を取り崩す、つまり、最初に仕訳をしたときと逆側に同じ金額を記入するんだ。今回は例2-3で借方に記入してたから、取り崩すときには貸方に記入すればいいんだよ。そして、原因を示す『通信費』っていう本来使うべきだった勘定科目を借方に記入するんだ。通信費は費用に属する項目なんだけど、費用は損益計算書の借方項目だったよね?
ケ:う・・・うん。
り:ちゃんと復習しておいてね(笑) 借方項目である費用が増えたんだから、当然借方に記入しないといけないんだ。今回もちゃんとそのルール通りになってるよね?
ケ:ホントだ。たしかにその通りになってる。
り:慣れるまでは1回1回、このルールにあてはめて考えるといいよ。
ケ:わかった!
り:最後に、例2−3と例2−4を見比べて欲しいんだけど、借方・貸方のどちらにも「現金過不足200円」ってあるよね?
ケ:うん。例2-3では借方に、例2-4では貸方に「現金過不足200円」てあるね。
り:こんな風に借方と貸方に同じ勘定科目が同じ金額で記入されると、トータルで考えれば相殺されて、帳簿上、何も影響を与えないんだ。だから、借方と貸方の両方に出てきた「現金過不足200円」を相殺して、無かったことにして考えると、借方「通信費200円」、貸方「現金200円」ってなるよね。
ケ:うん。そうなるね。
り:これこそが本来あるべき仕訳なんだ。ただ、はじめは原因がわからなかったから、とりあえず『現金過不足』っていう勘定科目で処理していたわけだね。そして、原因が判明したから、本来あるべき仕訳になるように、修正する仕訳をしたっていう流れなんだよ。
ケ:なるほどね~。じゃあ、ずっと原因がわからない場合にはどうなるの?
り:良い質問だね。それを次に勉強するよ。
4.決算時
り:さっきも言った通り、この『現金過不足』っていう勘定科目は、原因がわからないからとりあえず使ってる勘定科目なんだ。だから、この勘定科目をずっと残しておくことはできないんだよ。そこで、決算日になってもまだ『現金過不足』が残っている場合には、『雑損失』もしくは『雑収益』っていう勘定科目に振り替える必要があるんだ。これらは、原因がわからない損失や利益に使われる勘定科目だよ。
ケ:へ〜、『雑損失』に『雑収益』かぁ。
り:簡単にいえば、『雑損失』を使うのは、原因はわからないけど損をした場合。
逆に『雑収益』を使うのは、原因はわからないけど得をした場合なんだ。例2−5は、例2−3の続きなんだけど、200円損をしてる状態だね。だから、『現金過不足』を『雑損失』に振り替えてるんだ。
ケ:そっか。例2−4では原因がわかったから『通信費』っていう勘定科目に振り替えたけど、今回は原因がわからなかったから『雑損失』っていう勘定科目に振り替えたってことだね。
り:お〜、ケロちゃん今日は冴えてるね!例2−6は、逆に得をした状態だから『雑収益』っていう勘定科目に振り替えているんだよ。
ケ:そっか〜。慣れるまでは大変そうだけど、とりあえず今のところは大丈夫そうだよ。
り:よかった。現金過不足についてはここまで。次回は当座預金についてみていくよ。
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