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第1節 伝票
1.伝票とは
り:今回から第10章、伝票についてみていくよ。
ケ:よろしくお願いしまーす。
り:まずは、そもそも伝票って何なのか説明するよ。ケロちゃん、取引を行ったら仕訳をするって勉強したけど、何に仕訳を記入するか覚えてるかな?
ケ:え〜っと、帳簿じゃなかった?
り:そう。取引を行ったら帳簿に記入だったね。具体的には仕訳帳という帳簿に仕訳を行うんだ。帳簿については、第11章で詳しく説明するからね。
ケ:はーい。
り:取引を行ったら仕訳帳に仕訳するのが基本なんだけど、仕訳帳っていうのは1冊しかないから、取引量が多くなると1冊の仕訳帳で処理することが大変になってくるよね。
ケ:うん。一冊しかないから一人しか使えないもんね。
り:そこで出てくるのが、この章で勉強する伝票なんだ。伝票という仕訳を記入する紙片を用いることで、担当者を分けて仕訳をすることができるようになるんだ。ちなみに、伝票に記入することを起票というから、この言葉も覚えておいてね。
ケ:起票か。了解です。
2.伝票の種類
り:次は伝票の種類なんだけど、伝票には「入金伝票」「出金伝票」「売上伝票」「仕入伝票」「振替伝票」という5種類が存在するんだ。
ケ:入金伝票、出金伝票、売上伝票、仕入伝票、振替伝票。5種類もあるのか〜。
り:伝票は、それぞれの種類ごとに記入するルールさえ知っておけば難しくないから頑張ろうね。
ケ:はーい。
り:伝票の種類は5種類なんだけど、このうちどの伝票を使うかによって、記入方法は3伝票制と5伝票制という2つの方法に分かれるんだ。
ケ:3伝票制と5伝票制?
り:そう。まず3伝票制は入金伝票、出金伝票、振替伝票の3種類の伝票を使う方法なんだ。そして、5伝票制は入金伝票、出金伝票、売上伝票、仕入伝票、振替伝票の5種類の伝票を使う方法なんだ。
ケ:3伝票制が3種類、5伝票制が5種類か。名前がそのまま使う種類の数になってるから覚えやすいね。
り:そうだね。じゃー、まずは3伝票制からみていくよ。
第2節 3伝票制
1.入金伝票
り:さっきも言ったけど、3伝票制は入金伝票、出金伝票、振替伝票の3種類の伝票を使う方法なんだ。まずは、1、入金伝票からみていこう。入金伝票は、現金の入金取引を記入する伝票なんだ。
ケ:現金の入金取引を記入する伝票が、入金伝票か。
り:そう。これは記入例を見た方が早いから例10−1をみてごらん。商品500円を売上げ、代金は現金で受取ったっていう例だね。仕訳にすると、借方、現金500円、貸方、売上500円。これは大丈夫だよね。
ケ:うん。簡単簡単。
り:これを矢印の下にある入金伝票に記入するとこのようになるんだ。入金伝票の勘定科目には仕訳の貸方の勘定科目、つまり現金の相手勘定を記入するんだ。今回は売上だね。そして金額はそのまま、500円。
ケ:借方の現金はどこにも記入しないの?
り:そう。実はこの入金伝票自体が、借方の現金を表しているんだ。
逆に言えば、仕訳の借方に現金が出てきたら、入金伝票に記入されるってことだよ。
ケ:なるほど。
り:まずは、入金伝票は借方に現金勘定が出てくる取引に使われるってことと、入金伝票の勘定科目には、現金の相手勘定を記入するってことを覚えておいてね。それじゃあ今回はここまで。次回もがんばろうね。