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2.費用の繰延べ

り:前回の続きだよ。まずは費用の繰延べからみていくよ。費用を繰延計上するときは、費用を減額するとともに、前払費用を計上するんだ。この前払費用は、費用っていう名前がついてるけど資産項目だから注意してね。

ケ:へ〜前払費用は資産なんだ。

り:あと、※3を見てほしいんだけど、前払費用は、前払保険料や前払家賃といった具体的な勘定名を使用することもあるんだ。

ケ:前払保険料や前払家賃か。他にもあるの?

り:もちろん。例えば前払利息や前払地代とかね。勘定名は問題で指定されたもの使えばいいから、そんなに気にしなくていいよ。

ケ:わかった。

り:では、例9−9をみてね。決算日である3月31日において、保険料の繰延べ処理を行う問題で、8月1日に1年分の保険料、1,200円を支払っている状況だね。

ケ:ってことは保険料が過大計上されてるってことだよね?

り:そう。先に繰延べる金額を確認しよう。解説部分をみてごらん。線表の左側、8月1日時点で保険料を支払ったから、この段階で来期7月31日までの1年分の保険料が費用計上されているんだ。ただこの保険料のうち決算日以降にかかる4ヶ月分、図の黒塗りになってる部分は、次期に費用として計上されるべき金額だよね。

ケ:そうだね。

り:だからこの400円を繰延べることになるんだ。仕訳を考えていくけど、まず保険料が400円分過大に計上されているんだから、減額するんだったよね。だから貸方、保険料400円。

ケ:うん。費用の減額だから貸方だよね。

り:そう。じゃー相手勘定は?

ケ:相手勘定は前払費用じゃない?

り:正解。この例では前払保険料となっているけど、勘定科目の指示がない場合はどちらでも正解になるよ。勘定科目の指定があれば、それに従ってね。

ケ:はーい。

り:じゃー今度は、収益の繰延べをみていくよ。

3.収益の繰延べ

り:収益を繰延計上する場合は、収益を減額して、前受収益を計上するんだ。前受収益は負債項目になるよ。

ケ:今度は前受収益か。

り:※4にあるけど、前受収益も前受家賃や前受利息っていう具体的な勘定名を使用することがあるからね。

ケ:はーい。

り:じゃー例9−10を確認しよう。決算において、家賃の前受け分の繰延べ処理を行う問題だね。そして家賃は12月1日に6ヶ月分の600円を受け取ってる。ケロちゃん、この場合は次期に繰り越す金額はいくらになるかな?

ケ:え〜っと、12月から6ヶ月分ってことは、4月、5月、6月の3ヶ月分を繰り越すんだから300円じゃない?

り:ん〜本当に3ヶ月分?もう一度考えてみて、支払ったのは12月分からだよ。

ケ:あっ、12月分からだから来年の5月分まで支払ったってことなのか。ってことは4月、5月の2ヶ月分、つまり200円が繰り越すべき金額になるのか。

り:正解。この月数計算は慣れないとよく間違えるんだ。面倒かもしれないけど初めのうちは、解説にあるような簡単な線表を書いて考えるといいよ。

ケ:了解しました。

り:繰り越す金額は200円なら、仕訳はどうなる?

ケ:えっと受取家賃っていう収益を減額するんだから、借方、受取家賃200円、そして相手勘定は前受何とかだから、貸方、前受家賃200円じゃない。

り:そうだね。繰延べの処理は大丈夫そうだね。それじゃ今回はここまで。次回もがんばろうね。