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普段みなさんが買い物をするとき、代金の支払いはどのように行っていますでしょうか。
最近は電子マネーなど、現金以外の支払手段が普及してきましたが、まだ現金で支払う場面も多いかと思います。
買ったその場で代金を現金で支払う場合、商品の受渡しと現金の授受が同時に行われることになります。
では、ビジネスの現場ではどうでしょうか。
実は、代金を後で支払うことが一般的だったりします。
つまり、商品の受渡しと現金の授受は同時に行われません。
私たちが買い物をする場面でも、クレジットカードで決済する場合には商品の受渡しと現金の授受は同時には行われていません。
このように、商品の受渡しと現金の決済日との間にタイムラグが生じる取引を「信用取引」といいます。
その名のとおり、信用取引は売手側が買手側を信用すること(後でしっかり代金を支払ってくれるだろうと信用すること)によって成り立っています。
実際、多くの会社ではお客さんから注文を受けると、代金の受取りを待たずに商品を発送します。
請求書については、商品の発送時に一緒に送付する場合もありますし、月末にひと月分をまとめたものを発行する場合も珍しくありません。
商品発送時には未だ代金を受け取っていないわけですから、後日、お客さんから代金を支払ってもらうことで取引が完結することになります。
さて、上記のように、ビジネスの現場では商品の受渡時に現金の授受が行われていないわけですから、売手側も買手側も仕訳の勘定科目として『現金』で処理することはできません。
商品を販売した日に通常は『売上』を計上しますが、信用取引の場合はこの時点で現金の授受が行われないため、売上の相手勘定は営業上生じた未収金ないしは未払金として処理することになります。
ここで登場するのが『売掛金』と『買掛金』です。
そして後日、代金の受取りないしは支払いがなされたときに『現金』に振替ることになります。
例えば、4月1日に100円の商品を販売し、代金は月末に現金で受取ることになっている場合、4月1日と4月30日の仕訳はそれぞれ次のようになります。
・4月1日(商品販売時)の仕訳
売掛金 100 / 売 上 100
・4月30日(代金受取時)の仕訳
現 金 100 / 売掛金 100
簡単ですね。
ところで、上の例では売掛金の決済手段として現金が用いられていますが、ビジネスの現場(とりわけ大企業)では約束手形を用いることが多かったりします。
念のためおさらいをしておくと、約束手形とは、手形の振出人が受取人に対して一定金額の支払いを約束した証券です。
振り出す側は『支払手形』、受け取る側は『受取手形』で処理することになります。
先ほどの例で、仮に月末(4月30日)に6月末日支払いの約束手形を受け取ったとした場合、4月1日と4月30日、6月30日の仕訳はそれぞれ次のようになります。
・4月1日(商品販売時)の仕訳
売掛金 100 / 売 上 100
・4月30日(手形受取時)の仕訳
受取手形 100 / 売掛金 100
・6月30日(手形満期日)の仕訳
現 金 100 / 受取手形 100
今回は、信用取引というビジネスの現場で一般的に行われている取引形態について、その一連の処理を含めてお話しました。
最後に、私たちがクレジットカードを新規で作ろうとすると、勤務先や年収などの情報を求められますが、これらの情報を使ってカード会社は私たちの信用力(後で代金を支払う能力があるか)をはかっているわけですね。