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「利益」という言葉をよく耳にすると思いますが、利益には実は色々な種類があることをご存知でしょうか。
全部で5つの利益があります。
簿記の勉強をされている方や会社で経理業務をしている方にとっては当たり前の話かもしれませんが、中にはよくご存知でない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、よく聞くけど実はよく分かっていない(かもしれない)「利益」についてお話したいと思います。
みなさんが「利益」と聞いて思い浮かぶのはどんな事例でしょうか。
『売上高が100円で売上原価が50円だった場合、利益は100円-50円=50円である。』
と、こんな感じでしょうか。
正解です。
収益から費用を差し引くことで利益を計算するわけですから、売上高という収益から売上原価という費用を差し引いた残りの50円が利益となります。
さて、ここからが本題です。
今回お話するのは、利益には実は色々な種類があるということでしたね。
上記の50円は紛れもなく「利益」なのですが、もっと言うと「売上総利益」といいます。
売上総利益はどうやって計算するのかというと、もうすでに上記の事例でお話していますからお分かりかと思います。
売上総利益=売上高-売上原価
となります。
5つの利益のうち、もっとも早い段階で求められる利益がこの売上総利益です。
ビジネスの現場では、売上総利益のことを「粗利益(あらりえき)」だったり「粗利(あらり)」と呼ばれたりします。
そして、商業ではこの粗利益をとても重視しています。
商業は一般的に、メーカーから完成品を仕入れて、そのままの状態で販売します。
商品の仕入れにかかる費用が売上原価となりますが、商業では「仕入原価」といいます。
さて、粗利益の話に戻りましょう。
なぜ商業では粗利益が重視されるのでしょうか。
簡単な事例を使ってお話しましょう。
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~事例~
たとえば、商品Aと商品Bがあったとしましょう。
どちらも販売価格は300円です。
しかし、仕入原価が異なり、Aは180円、Bは280円だとします。
それぞれ1個ずつ売り上げると、AとBの粗利益はいくらになるでしょうか。
Aの粗利益:300円-180円=120円
Bの粗利益:300円-280円=20円
となりますよね。
Aは1個売り上げると粗利益が120円となりますが、Bで同じ粗利益を実現するためには6個も売り上げないといけません。
言い換えると、A1個の売上げはB6個分の売上げに相当するのです。
ですから、Aを1個売り上げた場合とBを6個売り上げた場合、売上高は前者が300円、後者が1,800円となり、一見Bを6個売り上げた方が儲かっているように思えてしまいますが、実は粗利益は同じなのです。
ビジネスの現場では当然、上記の仕入原価以外にも人件費など様々な費用が発生しますが、これらは粗利益から支払われます。
つまり、「粗利益の大きさ=費用の支払い能力」というわけです。
だからこそ、商業では粗利益が重視されるのです。
いかがでしたでしょうか。
今回は、5つある利益のうち、「売上総利益」をご紹介しました。
まだ残り4つありますが、続きは次の機会にお話したいと思います。
タグ : 簿記実務一般