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簿記試験の合否を分けるテキストでの勉強方法の注意事項」の記事で、期末の売上原価を算定する仕訳の意味は非常にわかりにくいというお話をしました。

簿記検定の本試験では、「しいくりくりしい」の合言葉を覚えていれば間違いなく合格できます。

 

簿記のテキストでは難しくなってしまうので書けませんでしたが、考え方を知ることですっきり意味を理解できる部分もあるので、今日は決算整理での売上原価の仕訳の意味を解説します。

前提条件の確認

実は皆さんが普段行っている仕訳は2つの目的で行われています。

それは、会社内部の財産と成績の管理のため外部に財産と成績を公表するためです。

 

前者の例は残高試算表で後者の例は貸借対照表と損益計算書です。

残高試算表も貸借対照表・損益計算書も仕訳を行って、それを集計するという一連の流れの中でできるのでごっちゃになりがちですが、違う意図があるということをまずは明確にしてください。

その上で、会社内部の管理用と外部公表用だと仕訳で使われる勘定科目が微妙に違うということを抑えて下さい。

 

外部公表用の勘定科目は財務諸表規則というもので明確に定められています。

なぜかというと、外部公表用の貸借対照表や損益計算書はいろんな人が見て、他社の財産や成績と比べるために使用されます。

これをそれぞれの会社で好き勝手勘定科目の名称を変えられてしまったら、比べる人が非常に困るからです。

 

逆に、会社内部の管理用であれば管理する人がわかれば勘定科目なんてなんでもよいわけです。

だから、処理を簡単にするために本来の意味とは違う科目で集計を行ったり、内部の人しか分からない勘定科目を備忘目的で使用したりします。

 

今回の売上原価の算定も内部管理目的と外部公表用で勘定科目が異なる例の1つなので、まずはそれをおさえて下さい。

決算整理の売上原価を算定する仕訳「しいくりくりしい」の意味

ここから本題に入っていきましょう。

 

「しいくりくりしい」(しーくりくりしー・シイクリクリシイ)の言葉の通り、決算整理で行う売上原価算定の仕訳は以下のようになります。

仕入×××/繰越商品××× ←「しいくり」
繰越商品×××/仕入××× ←「くりしい」

 

実は上の仕訳は次の2つの事象から成り立っています。

  1. 仕入という勘定科目で売上原価を計算すること
  2. 繰越商品という勘定科目で期末の在庫金額を計算すること

①仕入という勘定科目で売上原価を計算すること

ここからの話は前提条件で挙げた内部管理目的の仕訳だと考えて下さい。

期末になり社内では1年間の業績を確認するため、売上に対応する売上原価を知りたいとします。

 

ここで最終的な外部報告目的で使用される「売上原価」という勘定科目を使用して、会社の売上原価を計算しても当然良いわけです。

でも、「売上原価」という勘定科目を新たに作成することがめんどくさいと昔の人は思ったわけです。

じゃあ、貸借対照表・損益計算書を作る時に初めて「売上原価」という勘定科目を使用して、内部管理目的の残高試算表を作成する時は、「仕入」という勘定科目で売上原価を集計してしまえという考え方が普及しました。

 

商品を仕入れた時に、「仕入×××/買掛金×××」という仕訳をしますよね?

この「仕入」という勘定科目を残せば、あえて「売上原価」という勘定科目を新しく作成しなくても済みます。

 

ここで、当期仕入れた商品がすべて当期に売れるわけではありません。

当期に売れた商品は、前期からの売れ残りと当期に仕入れたもので成り立っています。

よって、最初の「仕入×××/繰越商品×××」という仕訳で期首から残っている商品分を費用に計上してあげます。

 

同じように当期仕入れた商品のうちいくつかは期末時点で売れ残っていますよね?

だから、「繰越商品×××/仕入×××」という仕訳で期末に残っている商品分を費用から除いてあげるわけです。

 

要は、仕入という勘定科目の中で当期の売上に対応する費用を計算するために、前期から持っていて当期売れた商品部分の金額を費用として加算してあげて、同時に当期に仕入れたけど当期売り上げなかった商品部分の費用を控除してあげるのです。

仕入という勘定科目は要は売上原価を算定する箱に過ぎないのです。

②繰越商品という勘定科目で期末の在庫金額を計算すること

こちらも内部管理目的で考えて下さい。

前期仕入れて、まだ売れ残っているものがあれば、売れ残っている金額を把握するために会社はその金額を「繰越商品」という勘定科目で残高試算表上繰越しています。

つまり、期首に残高試算表上には「繰越商品」という勘定科目でいくらかの金額が残っている訳です。

 

でも、この「繰越商品」ですが、期末までなにも処理されません。

商品を売り上げた時は「売掛金×××/売上×××」だし、商品を仕入れた時は「仕入×××/買掛金×××」ですよね?

 

そこで、期首に残っている「繰越商品」の金額を期末に残っている商品の金額に直す必要があります。

最初の「仕入×××/繰越商品×××」で期首に残っている繰越商品の評価額を0にして、次の「繰越商品×××/仕入×××」で期末に残っている商品の金額を計上するわけです。

「」しいくりくりしい」の仕訳のまとめ

以上が期末で行う売上原価算定の決算整理仕訳「しいくりくりしい」の意味です。

 

「しいくりくりしい」という言葉の中にこれだけの内容が詰まっています。

これをテキストで説明するのはかなりの紙面をとってしまいますので、基本的にあまり解説されないで、とりあえず「しいくりくりしい」の仕訳を覚えて下さいとなるわけです。

 

簿記3級のうちは分からなくても、簿記2級を勉強するうち(もしかしたら簿記1級になるかも…)に必ず仕訳の内容が分かる時が来ます。

焦らず、まずは仕訳の形をしっかり覚えて下さいね。

おまけを2つ

ここからはおまけです。

おまけ1

内部管理用に売上原価を算定した「仕入」、残っている商品の金額を算定した「繰越商品」は外部報告用にいずれ正しい勘定科目にしなければなりません。

つまり貸借対照表・損益計算書を作成する段階で「仕入」→「売上原価」、「繰越商品」→「商品」という勘定科目に変換するわけですね。

 

これは「貸借対照表・損益計算書の表示科目」で説明している通りなのでこちらも見て下さいね。

おまけ2

内部管理目的の時点で「売上原価」という勘定科目で売上原価を計算することもあります。その場合の仕訳は以下のようになります。

売上原価×××/繰越商品×××
売上原価×××/仕入×××
繰越商品×××/売上原価×××

 

上記の仕訳の意味はもうわかりますよね?

「仕入」で集計するかわりに「売上原価」という勘定科目で売上原価を計算しています(そのままですね…)。

注意点としては真ん中の「売上原価×××/仕入×××」ですが、これは期中に仕入れた商品分を「仕入」から「売上原価」という勘定科目に振り替えただけです。

ここまでわかってしまうとなにも難しいことはないですね。

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売上原価の算定の仕訳、「しいくりくりしい」の意味を約8分で勉強できますので、ぜひご覧ください。

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