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今回は機会損失という考え方について説明します。

機会損失とは?

みなさんは機会損失という言葉は聞いたことありますか?

機会損失というのは、費用の考え方の一つで、実際に取引を行って発生した費用ではなく、「最善の決定をしなかったために、より多くの利益を得る機会を逃すことで生じる損失」のことをいいます。

このように言葉で説明されてもいまいちイメージしにくいと思うので、簡単な例を使って説明します。

機会損失の計算方法

パン屋さんで考えてみましょう。

 

パン屋さんには販売価格が1個120円のパンがありました。このパンを作るのに100円の原価がかかっているとします。

あるとき店員がパンを1個、床に落としてしまいました。

一種の売り損じが発生したという状況ですが、さて、いくらの損失が発生したのでしょうか?

 

普通に考えてみると、パンは販売前だったので、原価の100円が損失の額のような気がします。

これは正解です。

会計上考えると、お店の費用(損失)とすべき金額は100円となります。

みなさんきちんと会計的な考え方ができていますよ。

 

ただ、今回の機会損失という考え方の場合、費用の金額は100円ではなく、販売価格の120円となるんです。

いったいどういうことでしょうか?

もう一度、定義を思い出してみましょう。

 

機会損失とは、費用の考え方の一つで、実際に取引を行って発生した費用ではなく、「最善の決定をしなかったために、より多くの利益を得る機会を逃すことで生じる損失」のことをいいます。

この定義に当てはめながら考えていきましょう。

 

まず「最善の決定をしなかったために」とありますが、今回の最善の決定とはどのようなことでしょうか?

もし、パンを落としていなければ、販売して売上があったわけですよね!?

つまり最善の決定というのは、パンを販売することと考えられます。

 

そして「より多くの利益を得る機会を逃すことで生じる損失」とあるので、仮にパンを販売していれば、120円の売上があったはずなので、この120円が機会損失の額となります。

簡単に言い換えれば、もしきちんと販売できていれば120円得られたのに、パンを落としたことによって本来得られるはずの120円を得る機会を失ってしまったということですね。

 

このようにして、失った利益を計算するのが「機会損失」という考え方です。

機会損失の考え方を使うと、在庫切れでお客さんを逃してしまったり、生産が追いつかずに注文を断ってしまった場合の損失を計算することもできます。

あまり気にしたことは無いかもしれませんが、売り切れの場合、もし商品があれば売れたのであれば、機会損失が生じているということなんですね。そのため、在庫量を適切に調整してこの機会損失を極力0に近づけなくてはならないんです。

 

機会損失という考え方を知っておけば、物事を考える視点を増やすことができるので、是非自分のものにして下さいね!

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