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第5節 費用・収益の繰延べ・見越し

り:今回は第5節、費用・収益の繰延べ・見越しをみていくよ。まず繰延べ・見越しが何かってことと、なんでこの処理が必要になるのかってことを説明していくよ。

ケ:お願いしまーす。

1.繰延べ・見越しとは

り:まず家賃や保険料、利息なんかは、支出額や収入額に基づいて費用や収益として計上されているんだけど、ここは大丈夫かな?

ケ:う〜ん、ちょっとわからないです。

り:例えば保険料を支払うことを考えて欲しいんだけど、保険料の支払は1月ごとに支払う場合もあれば1年分をまとめて支払うような場合もあるんだ。この1年分支払う場合なんかを想像して欲しいんだけど、例えば8月に保険料一年分を前払いしたとすると、その一年分の保険料の金額が、支払保険料として費用に計上されるんだ。

ケ:支払ったときに、借方、支払保険料って処理されてるってことだよね。

り:そう。この時の計上されてる金額が一年分という所が問題なんだ。実は、この一年分というのは当期の8月から次期の7月までの分なんだよ。だから、仮に12月31日が決算日だとしたら、支払った保険料のうち1月から7月までの7ヶ月分は次期に費用とされるべき金額になるんだ。

ケ:へ〜、言い換えれば7ヶ月分、保険料が過大に計上されてるってこと?

り:その通り。だから、こういった項目については繰延べや見越しという処理を行って、各勘定残高を当期の数値として正しく修正する必要があるんだよ。

ケ:なるほどね。

り:そして繰延べと見越しの意味だけど、※印の所に説明があるよ。まずは※1から確認するね。繰延べとは、当期の支出・収入に基づいた費用・収益勘定から、次期以降にかかる分を差し引くとともに、資産または負債として繰り越すことをいいます。ということだから、簡単に言えば過大に計上された費用や収益を資産・負債として次期に繰り越す処理を繰延べっていうんだ。

ケ:過大に計上されたもの繰り越すことだね。

り:そう。次に※2。見越しとは、当期においてまだ支出・収入がないため、費用・収益勘定に含まれていない項目で、次期以降に生じる支出・収入から当期に属する金額を費用・収益として計上するとともに、負債または資産として繰り越すことをいいます。

ケ:えっ、ちょっとまって、こっちも繰り越すの?

り:うん。最後の繰り越すっていうのは、資産・負債として計上して繰り越すってことなんだけど、その点は繰延べの場合と同じなんだ。ただ、見越しの場合は、まだ支出・収入がないから費用・収益勘定に計上されていない項目について、その額を見積もって計上すること、つまり、費用・収益が過小になってるから、その足りない分を見積もって追加計上するって処理なんだ。その相手勘定として資産・負債が計上されるんだけど、さっきの繰り越すっていうのは、この資産・負債を繰り越すってこと。わかったかな?

ケ:う〜ん、なんとなく。

り:まあ、実際に各項目の処理をみていけばわかるからね。ひとまずはなんとなくでいいよ。