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り:前回の続き、貸倒引当金の設定について例9−3で数値例をみてみよう。決算において、売上債権の期末残高20,000円に対して、2%の貸倒引当金を設定した、っていう問題だね。この例だと貸倒ると予想される金額はいくらになる?

ケ:20,000円に2%をかければいいんだから、400円じゃない?

り:そう。じゃー仕訳をしてみて。

ケ:え〜っと、借方、貸倒引当金繰入400円、貸方、貸倒引当金400円かな。

り:正解。この貸倒引当金は理解しにくい所だから、難しいなって思ったら、とりあえずこの仕訳の形を覚えてしまえばいいよ。それで問題は解けるからね。

ケ:はーい。

り:さっき少し出てきた、貸倒引当金が資産の評価勘定と呼ばれるって所だけど、今回の数値を使って説明しよう。今回、期末の売上債権の金額は20,000円だよね。説明の便宜上、この売上債権は売掛金の金額だったとしよう。そして貸倒引当金の金額が400円。ってことはつまり、将来回収できると予想される売掛金の金額は20,000円から400円引いた、19,600円ってことになるよね。

こんな風に、貸倒引当金は、資産である売掛金20,000円を評価した項目だと説明されるんだ。だから資産の評価勘定と言われるんだ。

ケ:へ〜。

り:まあ、ここは試験で直接問題になるような所じゃないから、とりあえずは仕訳の形と金額がわかればオッケーだよ。

ケ:了解しました。

り:今見た問題が基本なんだけど、実際の試験に出る問題では前期に設定した貸倒引当金がまだ残っているのが普通なんだ。

ケ:前期に設定した貸倒引当金が残ってる?

り:そう。決算整理を行う前に、貸倒引当金の残高があるパターンだね。この場合には、当期設定すべき金額と、残っている貸倒引当金残高の差額を繰り入れる処理を行うんだ。そしてこの処理方法を差額補充法というからね。

ケ:差額補充法か〜。

り:実際に問題を見た方が早いよ。例9−4をみてごらん。決算において、売上債権の期末残高20,000円に対して、2%の貸倒引当金を設定する問題で、条件として、貸倒引当金の残高が100円あるっていうパターンだね。当期設定すべき貸倒引当金の金額は20,000円かける2%で400円となるから、さっきみた例9−3と同じなんだけど、今回は既に貸倒引当金の残高が100円あるんだよね。だから今回は400円から100円を差し引いた、300円を追加で設定すんだ。そうすれば合計で貸倒引当金の金額が400円になるでしょ。

ケ:そうなるね。あっ、だから差額補充法っていう名前なのか。差額分だけ補充してるもんね。

り:そうそう。貸倒引当金を設定する問題をみたときは、まず初めに貸倒引当金の残高が残ってないかチェックする癖をつけておいてね。

ケ:はーい。

り:それじゃ今回はここまで。次回もがんばろうね。