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2.為替手形の処理(前回の続き)

(3)支払人(引受人・名宛人)の処理

り:今回は支払人の処理を見ていくんだけど、これも約束手形の支払人と同じだよ。為替手形の支払人になれば、満期日にお金を支払わないといけないから、その義務を支払手形で処理するんだ。例4-5を使って、具体的な仕訳例をみていこう。まず問題文を確認するけど、振出人、受取人、支払人がそれぞれ誰なのかを意識してね。

ケ:はーい。

り:「東京商店は千葉商店に対する買掛金100円を支払うため、得意先埼玉商店を名宛人とする為替手形を振り出し、埼玉商店の引き受けを得て、千葉商店に交付した。」っていう問題だよ。じゃあケロちゃん、支払人って誰かな?

ケ:え〜っと、支払人って出てきた?

り:うん。「支払人」っていう言葉自体は出てきてないよね。ただ、支払人は引受人・名宛人っていったりもするって説明したよね。

ケ:あっ、今回の名宛人は埼玉商店だ。ってことは埼玉商店が支払人か。

り:正解!今回は東京商店が振出人。千葉商店が受取人。埼玉商店が支払人だね。前回に説明で使った例と同じだったんだよ。

ケ:そっか〜。

り:じゃあ、それぞれの仕訳を考えていこう。まずは東京商店、つまり振出人の仕訳だけど、ケロちゃんわかるかな?

ケ:え〜っと、振出人は手形を振り出してるけど、仕訳に受取手形や支払手形は出てこなかったよね。東京商店は為替手形を振

り出したら埼玉商店に対する売掛金が消滅するんだから、貸方「売掛金100円」。そして、千葉商店に為替手形を交付したんだから、千葉商店に対する買掛金が消滅して、借方「買掛金100円」だよね。

り:正解!よくできたね。慣れが必要だから何度も練習してね。

ケ:はーい。

り:次は埼玉商店の処理、つまり支払人の処理だけど、為替手形の代金を支払う義務が生じるから貸方「支払手形100円」だね。そして、その代わりに東京商店に対する買掛金が消滅するから、借方「買掛金100円」となるよね。

ケ:うん。

り:最後に千葉商店の処理、つまり受取人の処理だけど、為替手形の代金を受っけ取る権利を得たんだから、借方「受取手形100円」だね。そして、その代わりに東京商店に対する売掛金が消滅するから、貸方「売掛金100円」となるんだ。

ケ:支払人と受取人の処理はそんなに難しくないね。問題は振出人かな。

り:そこが一番特徴的な処理だからね。それじゃー次は例4-6。これは今見た例4-5の為替手形が決済されたときの処理なんだ。まず振出人である東京商店は何も処理しないんだけど、これは大丈夫だよね?

ケ:うん。東京商店は代金を受け取ったり支払ったりする人じゃないもんね。

り:そうそう。次は支払人である埼玉商店の処理だけど、ケロちゃんわかるかな?

ケ:え〜っと、当座預金で決済してるから、貸方「当座預金100円」。そして代金の支払義務が消滅するから借方「支払手形100円」だよね。

り:そうだね。じゃあ受取人である千葉商店の処理は?

ケ:当座預金で決済してるから、借方「当座預金100円」。そして代金を受け取る権利が消滅するから貸方「受取手形100円」。

り:うん。ちゃんと理解できてるね。為替手形は3級で最も難しい論点の1つだから、しっかり復習しておいてね。

ケ:はーい。

り:今回はここまで。次回は手形の割引についてみていくよ。