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『減価償却をマスターしよう!』の第1回目と第2回目では、「減価償却とは何か?どうして減価償却をするのか?」という点を、次の2つの視点からお話しました。

①資産の「価値」という視点

②「損益」の視点

今回は、『減価償却をマスターしよう!』の第3回目として、減価償却費の具体的な計算方法についてお話したいと思います。

減価償却費の計算にはいくつかの方法がありますが、簿記3級では「定額法」を学習します。

まずは定額法について、テキストの内容からおさらいしていきましょう。

~減価償却費の計算方法①「定額法」~

最速簿記が提供している簿記3級のテキストでは、次のように説明しています。

定額法とは、固定資産の価値の減少が毎期一定と考え、減価償却費を計算する方法です。

具体的には、取得原価から残存価額(耐用年数経過時の固定資産の処分価値)を控除した残額(要償却額)を耐用年数(固定資産を利用することができる年数)で除して計算します。

例えば、取得原価5,000円、残存価額10%、耐用年数5年の備品を期首に購入した場合、各年の減価償却費は次のように計算します。

(5,000円-500円)÷5年=900円

定額法による計算は簡単ですよね。

では、次に定額法以外の計算方法をご紹介します。

~減価償却費の計算方法②「定率法」~

定額法と言葉は似ていますが、計算方法はまったく異なります。

上記①で確認したように、定額法は、固定資産の価値の減少額が毎期一定と考える計算方法ですが、定率法は、固定資産の価値の減少率が毎期一定と考える計算方法です。

定率法は、固定資産の帳簿価額(取得原価から、すでに計上済の減価償却費を差し引いた残額)に、耐用年数に応じた一定の償却率を乗じることで減価償却費を計算します。

ちなみに、償却率は税法で定められていますが、簿記の問題では数字が与えられるので、それを使って計算すればOKです。

例えば、取得原価5,000円、償却率が年40%の備品を期首に購入した場合、各年の減価償却費は次のように計算します。

1年目:5,000円×40%=2,000円

2年目:(5,000円-2,000円※)×40%=1,200円

※1年目の減価償却費

3年目:(5,000円-3,200円※)×40%=720円

※1年目と2年目の減価償却費の合計

4年目以降も同じように、帳簿価額に償却率を乗じて減価償却費を計算します。

定率法の特徴は、固定資産の使用の初期段階で減価償却費が多額に生じ、償却が進むにつれて減少していくことです。

定率法も特に難しい計算方法というわけではありませんが、注意点としては、定額法と異なり取得減価から差し引くのはすでに計上済の減価償却費であり残存価額ではないという点です。

いかがでしたでしょうか。

定額法と定率法とで、計算の前提にある考え方が異なっています。

さらに、同じ固定資産でも、定額法より定率法の方が使用初期の減価償却費が多額になります

仮に上記事例で毎年の収益が2,500円で一定であり、費用が減価償却費のみだとすると、定額法を採用した場合には毎期1,600円という一定の利益が計上される一方、定率法を採用した場合には1年目が500円、2年目が1,300円、3年目が1,780円の利益がそれぞれ計上されることになります。

もう少しお話すると、どちらの方法を採用するかで減価償却費の金額が異なり、利益が異なるわけですから、税金の納付額も異なることになります。

とはいえ、両者の違いは固定資産を費用化するタイミングの違いであり、最終的に計上されるトータルの減価償却費の累計額は同じです。

今回は、『減価償却をマスターしよう!』の第3回目として、減価償却費の具体的な計算方法についてお話しました。

減価償却費の計算方法は実はまだ他にもあるのですが、今回は定額法と定率法の対比に焦点を当てたかったため、他の方法についてはまたの機会にしたいと思います。