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り:第4章では手形の処理についてみていくよ。
ケ:よろしくお願いしまーす。
り:まず、手形には約束手形と為替手形という2つの種類があるんだ。はじめに約束手形、次に為替手形を見ていくんだけど、為替手形は3級で最も難しい論点の1つなんだ。だから、いつも以上に集中して聞いてね。
ケ:うん。わかった。
り:じゃあ、まずは第1節の約束手形からみていくよ。
第1節 約束手形
1.約束手形とは
り:ケロちゃんは、約束手形って知ってるかな?
ケ:う〜ん、知らないな〜。
り:約束手形っていうのはね、手形の振出人が受取人に対して一定金額の支払いを約束した証券なんだ。
ケ:一定金額の支払いを約束した証券?
り:そう。手形を振り出した人のことを振出人というんだけど、振出人が手形の受取人に対して手形に記載された金額を支払期日までに支払いますよって約束した証券なんだ。
ケ:へ〜。約束手形を受け取った人は支払期日にお金がもらえるんだね。
り:そうだね。あと、支払期日は満期日っていうこともあるから知っておいてね。約束手形の登場人物は今話したように、振出人と受取人の2人なんだけど、振出人のことを支払人、受取人のことを名宛人とも呼ぶから、この名前もしっかり覚えておいてね。
ケ:支払人と名宛人か〜。
り:問題文でどっちの名称が使われるかわからないから、例えば、名宛人が出てきた時には手形を受け取った人だなって判断ができるようにね。
ケ:は〜い。
り:じゃあ次に、振出人の処理をみていくよ。
2.約束手形の振出し(振出人の処理)
り:約束手形を振り出した人は支払期日にお金を支払わなければならないんだったよね。つまり支払義務が生じるから、この義務を『支払手形』という負債勘定で処理するんだ。例4-1をみてごらん。「東京商店は横浜商店より商品300円を仕入れ、代金は約束手形を振り出して支払った。」という問題だね。ケロちゃん、この場合の処理はわかるかな?
ケ:え〜っと、まず商品300円を仕入れてるんだから借方「仕入300円」だよね。そして約束手形を振り出したんだから、貸方「支払手形300円」じゃない?
り:正解!仕入の処理もちゃんと覚えてて安心したよ。支払手形を振り出した後は、満期日、つまり支払期日がくれば実際にお金を支払うことになるんだけど、その処理が例4-2にあるよ。例4-2は、「約束手形300円の満期日が到来したため、当座預金口座から300円が引き落とされた。」っていう問題だね。この場合は、まず当座預金から支払うから貸方「当座預金300円」だよね。
ケ:うん。資産の減少だから貸方だったよね。
り:そうそう。そして支払いによって手形代金を支払う義務が消滅するから、借方「支払手形300円」となるんだ。ここまでが振出人の処理なんだけど、大丈夫かな?
ケ:余裕〜♪
り:よし、じゃあ次は受取人の処理をみていくよ。
3.約束手形の受取り(受取人の処理)
り:約束手形を受け取った場合には、満期日にお金を受け取ることができるっていうのは大丈夫だよね。
ケ:うん。さっきみた支払人の相手側なんだからそうなるよね。
り:受取人はこのお金を受け取ることができる権利を、『受取手形』っていう資産勘定で処理するんだ。これも例でみていこう。例4-3をみてね。「横浜商店が東京商店に商品300円を売上げ、代金として東京商店振り出しの約束手形を受取った。」という問題だね。
ケ:あれっ、これさっきも出てこなかったっけ?
り:よく気づいたね。実はこの例4-3はさっきみた例4-1を横浜商店側から考えた問題なんだ。問題を解く場合には、問題で問われている側の処理だけじゃなく、取引の相手側の処理も考える癖をつけておくと、学習効果が高くなるから常に意識してね。
ケ:は〜い。
り:じゃあケロちゃん、例4-3の処理はどうなる?
ケ:商品300円を売り上げたんだから、貸方「売上300円」。そして代金は東京商店が振り出した約束手形を受kr取ったんだから、借方「受取手形300円」だよね。
り:正解!例4-4は手形代金を実際に受け取った場合の処理だけど、これは見てもらえばわかると思うから自分でみておいてね。
ケ:了解しました。
り:今回はここまで。次回は難関の為替手形をみていくよ。