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2.商品売上時(前回の続き)

り:今回は商品の販売時に手数料がかかる場合の処理についてみていこう。

ケ:え〜と、仕入諸掛りの話?

り:うん。内容はほぼ同じだね。ただ、商品を販売する側でかかった運送料や手数料などの費用だから、「販売諸掛り」というんだ。仕入側でかかったものが仕入諸掛り、販売側でかかったものが販売諸掛りだよ。

ケ:なるほどね〜。

り:販売諸掛りの処理だけど、当店、つまり販売した側と、先方、つまり購入した側のどちらが販売諸掛りを負担するかによって異なるんだ。

ケ:また処理が2パターンあるのか〜・・・。

り:がんばろう!まず、当店が負担する場合だけど、この場合は『発送費』という費用の勘定科目で処理するんだ。これに対して、先方が負担する場合だけど、この場合はもともと先方が支払うハズの費用を当店が立替払いしてるわけだから、あとでお金を返してもらうことができるんだ。だから、この権利を資産として認識することになるんだけど、このときに使う勘定科目としては、『立替金』勘定と『売掛金』勘定の2つがあるよ。

ケ:ん〜・・・、一度に言われるとやっぱり混乱するよ。

り:そうだよね(笑) これも例を使ってみていこう。例3-7をみてね。「商品100円を100円で売上げ、代金は掛とした。なお、販売にかかった運送料10円を現金で支払った。」という問題だね。まずは左側の「当店負担」の場合からみていこう。

ケ:当店負担の場合は『発送費』で処理だったよね。

り:そうそう。仕訳の一行目は前回みた掛売上の処理と同じだね。違う点は、運送料10円を現金で支払っているところ。まず現金10円を支払ってるんだから、貸方「現金10円」になるのは大丈夫だよね。そして、相手勘定が今ケロちゃんが言ったように『発送費』となるんだ。

ケ:うん、そうなってるね。

り:次は、右側の「先方負担」の場合なんだけど、こっちは2つ仕訳があるよね。これは、立替払いした10円を返してもらえる権利を『立替金』勘定で処理しているか、『売掛金』勘定で処理しているかの違いなんだ。『立替金』も『売掛金』もあとで現金を受け取ることができるものだから、どっちの処理も認められているんだ。問題を解く場合には、どちらで処理するか問題文に指示があるハズだから、それに従って処理すればいいよ。

ケ:わかった!

り:今回はここまで。これで商品販売時の処理は終わりだよ。次回は「商品返品時」、「代金値引時」、「売掛金回収時」の処理について勉強するよ。