[ad#co-1]

前回は、『財務諸表を読み解こう!』シリーズの第13回目として、経営分析を行う際のポイントの中から「健全性(安全性)」についてお話しました。

健全性(安全性)というのは、簡単に言えば「会社が倒産しないか」ということです。

会社は支払能力が無くなったときに倒産するので、会社の支払能力をみることこそが健全性(安全性)の分析だということになります。

そして、会社の支払能力は短期的なものと長期的なものとに分けることができます。

長期的な支払能力は固定比率をみて分析します。

固定比率=固定資産÷自己資本

固定比率は100%未満が目安とされています。

さらに、固定比率の分母である自己資本に固定負債を加えたものが「固定長期適合率」でした。

固定長期適合率=固定資産÷(自己資本+固定負債)

固定長期適合率が100%未満であれば一応健全と判断できます。

そしてもう一つ、「自己資本比率」についてもご紹介しました。

自己資本比率=自己資本÷総資本

当然、自己資本比率が高いほど借金が少なく、健全であるといえます。

以上が前回のおさらいです。

さて、今回も前回に引き続き、経営分析を行う際のポイントについてお話したいと思います。

今回は、「生産性」についてです。

生産性は、いかにヒトやカネを効率よく使って成果を生み出しているかという視点で分析をします。

成果というと、売上高や当期純利益を連想するかもしれませんが、生産性を分析する際には付加価値で分析することが望ましいとされています。

そして付加価値というのは、ザックリ言えば、商業の場合は粗利(粗利益)と考えていただいてけっこうです。

生産性を分析する比率には次のようなものがあります。

労働生産性=付加価値÷従業員数

労働分配率=人件費÷付加価値

労働生産性は、従業員ひとり当たりの付加価値額をみています。

当然ながら、労働生産性が高い値の方が生産性は高いと判断されます。

ヒトやカネといった会社の資源には限りがあるわけですから、いかに効率よく価値を生み出しているのかをみることは、経営分析を行う際には重要なポイントとなります。

以上が今回の内容となります。

これまで『財務諸表を読み解こう!』と題して、14回にわたって財務諸表の基本的な読み方や経営分析の仕方などをお話してきました。

お話したのは一部のポイントであり、他にもたくさんのポイントがあります。

また、財務諸表を読む目的が異なればポイントも異なってきます。

とはいえ、一連の記事を読んでいただいたことで、財務諸表をみるときの基本的なポイントなどはご理解いただけたのではないでしょうか。

『財務諸表を読み解こう!』シリーズは今回でいったん完結となります。

また機会をみて他のポイントについてもお話したいと思います。