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前回は、『財務諸表を読み解こう!』シリーズの第5回目として、第4回目に引き続き損益計算書についてお話しました。
損益計算書では、会社の活動から生じる収益や費用を活動の種類ごとに分類し、段階的に利益を算定・表示しているというお話でしたね。
さて今回は、これまでの回でお話してきた貸借対照表と損益計算書に続き、『キャッシュフロー計算書』という第3の財務諸表についてお話したいと思います。
キャッシュフロー計算書は、その名が示すとおり、キャッシュ(お金)のフロー(流れ)を算定・表示する計算書です。
損益計算書は利益を算定・表示する計算書でしたが、それと今回お話するキャッシュフロー計算書は何が違うのでしょうか。
「利益がでた」ときくと、「お金がたくさん儲かった」という状態をイメージするかと思います。
たとえば、50円の現金を持っている状態で50円のモノを現金で仕入れ、それを100円で売り上げた場合、利益は差額の50円(売上高100円-売上原価50円)となります。
このとき、売上代金の100円をすべて販売時に現金でもらったのであれば、最終的に手許に残るお金は100円(最初50円→仕入後0円→販売後100円)となり、最初よりも50円お金が増えていることになります。
つまり、「利益額=お金の増減額」となるわけです。
「利益額=お金の増減額」という関係が常に成立するのであれば、キャッシュフロー計算書は必要ありませんね。
しかし、「利益額」と「お金の増減額」はほとんどの場合一致しません。
なぜなら、利益を算定する過程として売上などの収益や売上原価などの費用がありますが、これらはお金の動きとは無関係に計上されるからです。
さきほどの具体例において、売上代金の100円を販売時ではなく来月末にもらうとしたら、販売直後の利益額とお金の増減額はそれぞれどうなるでしょうか。
利益額はさきほどと同様50円です。
一方、販売直後における手許のお金は0円(最初50円→仕入後0円→販売後0円)となり、お金の増減額はマイナス50円となります。
いかがでしょうか。
会社の取引がすべて現金で行われるのであれば「利益額=お金の増減額」の関係が成立するのですが、信用取引が通常である現代では、上記の例のように利益額とお金の増減額が必ずしも一致しません。
だからこそ、利益を算定・表示する損益計算書のほかに、お金の動きを算定・表示するキャッシュフロー計算書が必要になるわけですね。
今回は、『財務諸表を読み解こう!』シリーズの第5回目として、キャッシュフロー計算書についてお話しました。
次回も、今回に引き続きキャッシュフロー計算書についてお話したいと思います。
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