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前回は、『財務諸表を読み解こう!』シリーズの第4回目として、損益計算書についてお話しました。

損益計算書では会社の活動から生じる収益や費用(ないしは利得と損失)を「営業損益の部」「営業外損益の部」「特別損益の部」の3つに分類し、それぞれの種類ごとに対応させて計算しています。

その結果、利益も段階的に算定され、5つの利益、すなわち「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」が算定されるというお話でしたね。

今回も前回に引き続き、損益計算書についてお話したいと思います。

~営業損益の部~

営業損益の部では、会社の本業から得られた利益を算定・表示します

会社の本業から生じる収益、すなわち商業であれば商品を売り上げることによって得られる売上高から、費用、すなわち商品を売り上げるために直接的に犠牲となった売上原価を差し引くことによって、1つ目の利益である売上総利益を算定します。

売上総利益は粗利益とも呼ばれ、損益計算書で一番早く登場する利益であり、会社の利益のおおもとでもあります。

さらに、売上総利益から売上高と期間的に対応する費用である販売費および一般管理費を差し引くことによって、2つ目の利益である営業利益を算定します。

営業利益は、売上高から売上高と直接的に対応する費用である売上原価、さらには売上高と期間的に対応する販売費および一般管理費を差し引いて算定されるため、会社の本業で得られた利益であるといえます。

~営業外損益の部~

営業外損益の部では、会社の本業以外の活動で毎年経常的に生じる利益を算定・表示します

営業外損益の部に計上される収益の具体例としては、銀行にお金を預けることで得られる受取利息が挙げられ、また、費用の具体例としては、銀行からお金を借りることで生じる支払利息が挙げられます。

さきほどの営業利益にこの営業外損益を加味することによって、3つ目の利益である経常利益を算定します。

経常利益は、本業で得られた利益である営業利益に、本業以外の活動で毎年経常的に生じる損益である営業外損益を加味して算定されるため、会社の長期的な収益力を示す利益であるといえます。

~特別損益の部~

特別損益の部では、臨時的に生じる損益を算定・表示します

特別損益の部に計上されるものの具体例としては、土地や建物を売却することで生じた売却益(もしくは売却損)が挙げられます。

土地や建物は通常、長期間使用するために保有されますから、これらを売却することは滅多にありません。

したがって、土地や建物を売却することで生じた損益は、特別損益の部に表示されるのです。

ただし、不動産会社の場合は話が別です。

不動産会社の場合、土地や建物を売買することが本業なわけですから、これらを売却することで生じた損益は営業損益の部に表示されることになります。

話を戻して、経常利益に特別損益を加味することで4つ目の利益である税引前当期純利益が算定されます。

ここからさらに税金を差し引き、5つ目の利益であり会社の最終的な利益である当期純利益が算定されます。

いかがでしたでしょうか。

今回は『財務諸表を読み解こう!』シリーズの第5回目として、前回に引き続き損益計算書に焦点を当ててお話をしました。

損益計算書では、会社の活動から生じる収益や費用を活動の種類ごとに分類し、段階的に利益を算定・表示していることがご理解いただけたかと思います。

次回はキャッシュフロー計算書についてお話したいと思います。

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