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前回は、『財務諸表を読み解こう!』シリーズの第9回目として、連結財務諸表についてお話をしました。

連結財務諸表は、支配従属関係にある2つ以上の企業からなる集団(企業集団)を単一の組織体とみなして、親会社が当該企業集団の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況を総合的に報告するために作成するものでしたね。

これまでのシリーズ9回をとおして、各財務諸表の役割や構成要素の説明を中心にお話してきました。

今回からは、財務諸表を読み解く際の着目点を中心にお話していきたいと思います。

財務諸表を読み解く際にまず重要となる点は、各財務諸表の役割や構成要素の意味を理解することです。

この点に関しては、これまでの回を読むことである程度はご理解いただけたのではないでしょうか。

「決算書を読み解く」というのは、ただ単に「決算書の数字を眺める」ということではありません。

それぞれの数字が表す意味を読み取ることこそが、決算書を読み解くということなのです。

とはいえ、いきなり読み取ろうとがんばったところで、どこをどう読めばよいか自然とわかるものでもありません。

そこで、読み解く際の主なポイントを3つご紹介したいと思います。

ポイントさえ掴んでおけば、だんだんと見るべき項目や注目すべき数字が感覚的にわかるようになります。

~財務諸表を読み解く際の3つのポイント~

①比率をみる

②過去と比較する

③他社と比較する

以上の3つが、財務諸表を読み解く際の主なポイントとなります。

それでは1つずつ説明していきます。

比率をみる

これは、ある項目の数字が他の項目の数字の何%を占めるかをみることです。

たとえば、売上原価という費用だけをじっと眺めるのではなく、売上高に占める売上原価の割合をみるといった感じです。

前期よりも当期の売上原価が増えているからダメ、と判断してはいけません。

売上高が増えていれば売上原価も増えるのが通常ですから、売上高に占める売上原価の割合をみなければ、数字が表す意味を読み取ることはできないわけです。

過去と比較する

当期の財務諸表だけでも、その会社の業績を「ある程度」評価することは可能です。

損益計算書をみれば、単純に儲かったか損したかなどはわかりますし、貸借対照表をみれば、現金がどれだけあるのかといったことなどもわかります。

ただし、1年分の財務諸表をみるだけでは、本当の意味でその会社の業績を読み取ることはできません。

前期の売上高と比べて当期の売上高はどのくらい増えたか(減ったか)、過去数年間で売上高は増加(減少)傾向にあるのかなど、過去と比較することが重要なのです。

他社と比較する

その会社の財務諸表をみるだけではなく、他の会社の財務諸表と比較することも経営分析をする上では有用となります。

ある会社の売上高が前期比10%アップしているから順調、と判断するのは危険です。

別の同業他社が30%アップしているとしたら、チャンスを掴めていない可能性があります。

業界のトレンドなどもありますから、他社(とくに同規模の同業他社)と比較することが重要なのです。

いかがでしたでしょうか。

今回は、財務諸表を読み解く際の3つのポイントについてお話しました。

次回は、経営分析を行う際のポイントについてお話したいと思います。

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