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前回は、『財務諸表を読み解こう!』シリーズの第10回目として、財務諸表を読み解く際の3つのポイントについてお話しました。

①比率をみる

②過去と比較する

③他社と比較する

上記の3点がポイントでしたね。

今回は、経営分析を行う際のポイントについてお話したいと思います。

ポイントの1つ目は「収益性」です。

簡単にいえば、「儲ける力」です。

前期に比べてどれだけ売上高が増えたか、という過去との比較ももちろん大事なわけですが、さらにもう一歩突っ込んだ分析が今回お話する収益性分析です。

収益性を分析するというのは、「どれだけの資金を使ってどれだけ儲かったか」をみることです。

専門用語でいうと、「総資本経常利益率」をみることになります。

総資本経常利益率は、次の式で求めることができます。

総資本経常利益率=経常利益÷総資本

当期の総資本経常利益率を求め、それを過去の比率と比べて良くなっているか悪くなっているかをみたり、他社の比率と比べて優れているか劣っているかをみることで、儲ける力、すなわち収益性を分析することができます。

総資本経常利益率を求めて比較した結果、過去の比率や他社の比率よりも悪いといった場合などには、ここからさらに、総資本経常利益率を分解することでより詳細な分析をすると原因を分析することが可能です。

具体的には、次のように総資本経常利益率を売上高経常利益率と総資本回転率に分解します。

総資本経常利益率=経常利益÷総資本

        =(経常利益÷売上高)×(売上高÷総資本)

        =売上高経常利益率×総資本回転率

売上高経常利益率は、売上高に占める経常利益の割合であり、取引の効率性を測ることができます。

また、総資本回転率は、売上高が資本の何倍であるかを表しているため、資本の効率性を測ることができます。

つまり、総資本経常利益率が悪化しているとした場合に、その原因が取引の効率性にあるのか、それとも資本の効率性にあるのかを分析することができるわけです。

上記の計算式からもわかるとおり、売上高経常利益率と総資本回転率のどちらかが高まれば、総資本経常利益率が高まることになります。

ですから、特に経営者は総資本経常利益率が良くなった悪くなったという分析だけで終わりにせず、もう一歩突っ込んでその原因まで突き止めなければ次の一手を考えることができません。

なぜなら、総資本経常利益率が悪化した場合において、その原因が取引の効率性にあるのか資本の効率性にあるのかによって、改善のポイントも変わってくるからです。

いかがでしたでしょうか。

今回は、『財務諸表を読み解こう!』シリーズの第11回目として、経営分析を行う際のポイントの中から「収益性」に焦点をあててお話しました。

次回も今回同様、経営分析を行う際のポイントについてお話したいと思います。

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