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『損益計算書って何だっけ?』シリーズの第1回目では、損益計算書の構成要素である利益に着目し、利益が出ている状態、すなわち「儲かっている」状態とはどういうことなのかについてお話しました。
「儲かっている」=「元手が増えている」という状態でしたよね。
さらに言えば、元手は「資本金」として表されるわけですから「儲かっている」=「資本金が増えている」状態だというお話でした。
今回は、『損益計算書って何だっけ?』シリーズの第2回目として、前回に引き続き損益計算書の構成要素である利益(または損失)に着目したお話をしたいと思います。
~貸借対照表から利益の情報を読み取る~
前回お話したように、「儲かっている」とは「資本金が増えている」状態をいいます。
では、『資本金』の情報は何に記載されているでしょうか?
って、簡単過ぎますよね。
そう、『資本金』は貸借対照表に記載されています。
ということは・・・、期首の貸借対照表と、期末の貸借対照表に記載されている資本金の金額を比較すれば、資本金がどれだけ増えたか(もしくは減ったか)がわかるわけですから、どれだけ儲かっているか(もしくは損しているか)がわかるということです。
すなわち、貸借対照表から利益の情報を読み取ることができるというわけです。
式で表すと、「利益=期末資本金-期首資本金」となります。
損益計算書は、会計期間におけるお店の経営成績(儲かっているかどうか)を明らかにする表でしたね。
そしてここまでの話で、貸借対照表から利益の情報を読み取ることができる点をご理解いただけたかと思います。
ということは、貸借対照表でもお店が儲かっているかどうかがわかるのですから、損益計算書はいらないんじゃないかって思われる方もいるかもしれません。
では、損益計算書はいらない子なのでしょうか・・・?
~損益計算書の存在意義は?~
結論からいえば、損益計算書はいらない子なんかじゃありません。
貸借対照表からも利益の情報が読み取れるわけですが、損益計算書じゃないとわからない情報があります。
それは、利益がどのように生み出されたかという過程の情報です。
商品を販売することで得た利益なのか、お店の車を売却して得た利益なのかなど、利益が生み出された過程や利益の内訳については、損益計算書じゃないとわからない情報なのです。
ここに損益計算書の存在意義があります。
~事例~
とある商店街に八百屋さんが2軒(以下、AとB)あります。
AとBどちらも、今年度の利益は100円でした。
利益の金額が同じですから、どちらも同じだけ商売繁盛バンザイ!
・・・だったら良いのですが、100円の利益の中身がAとBでは次のように違いました。
Aの利益:野菜をたくさん売ったことによるもの
Bの利益:お店の車を売却したことによるもの
さて、AとBどちらが八百屋さんとして成功しているでしょうか。
八百屋さんは野菜を売ることが本業なわけですから、本業から利益が出ているAの方が八百屋さんとして成功していると判断できますよね。
このように、利益が生み出された過程や内訳の情報を提供してくれるのが損益計算書なのです。
今回は、『損益計算書って何だっけ?』シリーズの第2回目として、損益計算書の構成要素である利益に着目し、利益は貸借対照表からも読み取ることができる点と、損益計算書の存在意義についてお話をしました。
次回もお楽しみに!