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3.移動平均法

り:まず前回の続きから。商品有高帳の払出単価のもう1つの計算方法は移動平均法っていうんだけど、これは商品の仕入れのつど平均単価を計算して払出単価を計算する方法なんだ。

ケ:平均単価を計算するってことは、先入先出法みたいに単価の異なる商品ごとにわけたりはしないってことかな?

り:よく気づいたね。そこが先入先出法との大きな違いなんだよ。それじゃ、下の商品有高帳を使って確認しようね。前月繰越の内容や仕入・売上の内容は先入先出法で説明したときと同じだよ。まず7月4日をみてね。商品を仕入れているね。移動平均法の場合は、仕入れのつど平均単価を計算するよ。これがポイント。平均単価は、前月繰越分と4日の仕入分の合計金額を合計数量で割れば計算できるよ。今回は合計金額が4120円で、合計数量が40個だから、4120円÷40個で平均単価は103円になるね。

ケ:合計金額を合計数量で割ればいいんだね。これならオイラにも出来そう。

り:簡単な計算だから大丈夫だよ。次に、7月10日をみてね。払出欄の単価に注目。さっき計算した平均単価103円を払出単価としているね。

ケ:移動平均法は、仕入れのつど平均単価を計算して、払い出したときはその平均単価を払出単価とするんだね。

り:ここも大丈夫そうだね。先入先出法も移動平均法も、それぞれのポイントを確認しながら問題集でトレーニングしてみてね。

ケ:うん、がんばる。

り:これで第11節はオシマイ。次に進もう。

第12節 売掛金元帳

り:第12節は売掛金元帳だよ。売掛金元帳は、売掛金に関する取引を記入する補助元帳で、重要な得意先ごとに作成するから得意先元帳ともいうよ。売掛金元帳を作成している場合には、仕訳帳で仕訳を行った後に売掛金元帳へ記入を行うんだよ。

ケ:売掛金元帳があれば、どの得意先にどのくらいの売掛金があるのかがわかるね。

り:売掛金を回収できないと困るから、しっかり管理しておく必要があるんだよ。それじゃ、ルールを確認していこう。摘要欄には取引の内容などを記入。売掛金が増加した場合には借方欄に、減少した場合には貸方欄に記入。借・貸の欄には、借り方残高の場合には“借”を、貸方残高の場合には“貸”を記入。売掛金は資産だから、通常は借方残高になるよ。月末に次月繰越として、売掛金残高を貸方欄に記入。次月繰越の行は赤で記入するのがルールなんだけど、試験では黒の鉛筆で記入してね。借方欄と貸方欄の合計を記入。合計を記入する前に区切り線を引くよ。日付欄・借方欄・貸方欄・借/貸の欄・残高欄を二重線で締切る。月初に前月繰越分を記入。こんな感じだよ。

ケ:これも難しくないね。この売掛金元帳は山口商店に対する売掛金を管理していることがわかるね。記入を見ると、前月から繰り越されてきた売掛金が7万円あることや、5日の売上で売掛金が4万円増えたこと、それに12日の値引で5000円、21日の回収で6万円の売掛金が減っていることもわかるよ。

り:売掛金元帳はこれで大丈夫そうだね。次に進もう。

第13節 買掛金元帳

り:11章の最後、第13節は買掛金元帳だよ。買掛金元帳は、買掛金に関する取引を記入する補助元帳で、重要な仕入先ごとに作成するから仕入先元帳ともいうんだ。ルールはさっきの売掛金元帳と同じだから、特に説明することはないよ。あ、買掛金は負債だから、通常貸方残高になるよ。だから、借・貸の欄は貸と記入だね。

ケ:ふ~、これで11章はオシマイ?

り:うん、オシマイ。勉強することはたくさんあったけど、どれも難しくはなかったよね。

ケ:うん。問題集でトレーニングすれば、すぐ身に付きそうだよ。

り:それを聞いて安心したよ。それじゃ、今回はここまで。テキストもだいぶ終盤まできたけど、残りも頑張っていこうね。