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現金及び預金
現金及び預金はその名の通り、手持ちの現金や普通預金・当座預金の残高を管理するために使用される勘定科目です。
ただし、簿記上の現金及び預金については非常に論点が多いところでもあります。
今回は前回の「【詳細】 貸借対照表の流動資産①(現金及び預金 その2)」・前々回の「【詳細】 貸借対照表の流動資産①(現金及び預金 その1)」に引き続き「現金及び預金」のポイントについてみていきます。
小口現金とは
会社では、通常、経理部(会計係)が帳簿作成やお金の管理をしています。
しかし、経理部以外の各部署で交通費や切手代などの細かい支払いが必要な場合もあり、これに備えて少額の現金を事前に各部署(小口係)に前渡しする場合があります。
このように前渡しした少額の現金のことを「小口現金」といいます。
小口現金の処理方法としては、①小口現金設定時、②小口現金支払時、③支払報告時の3つをおさえましょう。
小口現金設定時
会計係が小口係に小口現金を前渡しした場合、手許にある現金と区別するため『小口現金』(資産)として処理します。
仕訳としては次のものをおさえておきましょう。
・例1
会計係が小口係に小口現金の前渡分として、小切手500円を振り出した。
(借)小口現金 500円/(貸)当座預金 500円
小口係支払時
各部署で諸経費の支払いが生じたときは小口係が小口現金より支払いを行いますが、仕訳は経理部(会計係)が行うため、この時点では仕訳を行いません。
支払報告時
小口現金制度では、1週間等、一定期間毎に小口係が経理部(会計係)にその期間に使った金額を報告します。
そしてこの時点で、経理部(会計係)が仕訳を行います。
支払報告を受けた場合には『小口現金』(資産)の減少を認識し、相手科目には支払内容に応じた費用を計上します。
小口現金制度では、支払報告を受けた後、使った分の補給を行います。
この時の処理は前渡時(設定時)の処理と同じです。
なお、前述の支払報告と補給を同時に行うこともあります。
この場合には、前渡時の処理と支払報告時の処理を1つの仕訳で行います。
仕訳としては次の2つをおさえておきましょう。
支払報告を受けた後、使用分の補給を行う場合
・例1
会計係は小口係より、電気代200円を支払ったという報告を受けた。
(借)水道光熱費 200円/(貸)小口現金 200円
支払報告と補給を同時に行う場合
・例2
会計係は小口係より、タクシー代200円を支払ったという報告を受けたため、小口現金補給のため小切手200円を振り出した。
(借)旅費交通費 200円/(貸)当座預金 200円