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経過勘定(前払費用・前受収益・未払費用・未収収益

今回は前払費用・前受収益・未払費用・未収収益といった費用・収益の繰延べ・見越しの勘定科目をみていきましょう。

費用・収益の繰延べ・見越しとは?

家賃、保険料、利息などは支出または収入に基づいて当期の費用または収益が計上されているため、期末の各勘定残高が必ずしも当期に属する金額となっているとは言えません。

そこで決算において、費用・収益の繰延べ※1・見越し※2の処理を行うことによって、各勘定残高を正しく修正する必要があります。

※1:繰延べとは、当期の支出・収入に基づいた費用・収益勘定から、次期以降にかかる分を差し引くとともに、資産または負債として繰り越すことをいいます。

※2:見越しとは、当期においてまだ支出・収入がないため、費用・収益勘定に含まれていない項目で、次期以降に生じる支出・収入から当期に属する金額を費用・収益として計上するとともに、負債または資産として繰り越すことをいいます。

費用の繰延べ

費用を繰延計上する際には、費用を減額するとともに、『前払費用』※3(資産)を計上します。

※3:前払費用は、『前払保険料』や『前払家賃』など具体的な勘定名を使用することもあります。

仕訳としては次のものを覚えておきましょう。

例:決算(3月31日)において、保険料の繰延べ処理を行った。なお、保険料は8月1日に1,200円(1年分)を支払っている。

(借)前払保険料 400円/(貸)保険料 400円

1200円を当期に支払っているがそのうち4ヶ月分(4月1日~7月31日分)は来期の費用であるため前払保険料とする。

1,200円÷12カ月×4ヶ月=400円(前払分)

収益の繰延べ

収益を繰延計上する際には、収益を減額するとともに、『前受収益』※4(負債)を計上します。

※4:前受収益は、『前受家賃』や『前受利息』など具体的な勘定名を使用することもあります。

仕訳としては次のものを覚えておきましょう。

例:決算(3月31日)において、家賃の前受分の繰延べ処理を行った。なお、家賃は12月1日に600円(6ヶ月分)を受取っている。

(借)受取家賃 200円/(貸)前受家賃 200円

600円を当期に受け取っているがそのうち2ヶ月分(4月1日~5月31日分)は来期の収益であるため前受家賃とする。

600円÷6カ月×2ヶ月=200円(前受分)

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費用の見越し

費用を見越計上する際には、費用を計上するとともに、『未払費用』※5(負債)を計上します。

※5:未払費用は、『未払保険料』や『未払家賃』など具体的な勘定名を使用することもあります。

仕訳としては次のものを覚えておきましょう。

・例1

決算(3月31日)において、支払家賃の見越計上を行った。なお、家賃は5月31日に600円(過去4ヶ月分)を支払う予定である。

(借)支払家賃 300円/(貸)未払家賃 300円

来期5月31日に4ヶ月分の家賃600円を支払う予定であるがそのうち2ヶ月分(2月1日~3月31日分)は当期の費用であるため未払家賃とする。

600円÷4カ月×2ヶ月=200円(未払分)

収益の見越し

収益を見越計上する際には、収益を計上するとともに、『未収収益』※6(資産)を計上します。

※6:未収収益は、『未収家賃』や『未収利息』など具体的な勘定名を使用することもあります。

仕訳としては次のものを覚えておきましょう。

例:決算(3月31日)において、受取利息の見越計上を行った。なお、利息は9月30日に1,000円(過去1年分)を受取る予定である。

(借)未収利息 500円/(貸)受取利息 500円

来期9月30日に1年分の利息1,000円を受け取る予定であるが、そのうち6ヶ月分(10月1日~3月31日分)は当期の収益であるため未収利息とする。

1,000円÷12カ月×6ヶ月=200円(未収分)

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