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今回は商品売買に関する割引き割戻しについて説明します。

割引きの仕訳【売上割引・仕入割引】

割引きとは

割引きというのは、掛代金を期限よりも早く支払うことにより、代金を一部減額してもらうことをいいます。

この割引きをきちんと理解するには、まず掛代金に利息が含まれているということを理解する必要があります。

 

商品売買において代金の支払を掛けで行う場合、現金で支払った場合と比べ、一定期間、代金の支払いを待ってもらっている状態となります。言い換えれば、その期間、相手からお金を借りているのと同じ状態と言えます。

したがって、この支払いを待ってもらっている期間(お金を借りている期間)に対して利息が生じることになります。そして、この利息分も含めて掛代金が設定されていると考えて下さい。

 

割引きは、先程説明したように、掛代金を期限よりも早く支払うことにより、代金を一部減額してもらうこと、つまり、早く支払った期間分だけ対応する利息を減額してもらうことなんです。

割引きの仕訳

割引きには、(1)仕入側で発生する仕入割引と、(2)売上側で発生する売上割引があります。

(1)仕入割引の仕訳

仕入割引は、仕入により生じた掛代金、つまり買掛金を早期に決済したことにより生じる利息相当額の減額(受け取り)なので、その性質は受取利息(収益)と同様です。そこで、仕入割引を受けたときは、『仕入割引』(収益)として処理します。

なお、『仕入』(費用)を取り消すことはしないので注意して下さい。

 

例)買掛金¥500を早期決済したことにより、¥10の割引を受け、差額は現金で支払った。

(買 掛 金)   500 / (現  金)  490

            / (仕入割引)   10

(2)売上割引の仕訳

売上割引は、売上により生じた掛代金、つまり売掛金を早期に回収したことにより生じる利息相当額の減免(支払い)なので、その性質は支払利息(費用)と同様です。そこで、売上割引を受けたときは、『売上割引』(費用)として処理します。

なお、『売上』(収益)を取り消すことはしないので注意して下さい。

 

例)売掛金¥500を早期回収したことにより、¥10の割引を行い、差額は現金で受け取った。

(現  金)   490 / (売 掛 金)  590

(売上割引)    10 /

割戻しの仕訳【売上割戻し】

割戻し(リベート)とは

割戻しとは、一度に大量の商品を仕入れてくれた得意先に対して代金を一部減額(おまけ)してあげることで、一般的にリベートと呼ばれます。

割戻しの仕訳

割戻しには、(1)仕入側で発生する仕入割戻しと、(2)売上側で発生する売上割戻しがあります。

(1)仕入割戻しの仕訳

仕入割戻しを受けた場合、その分だけ『仕入』(費用)を減額します。

 

例)大量に仕入れたことにより、買掛金¥500につき、¥10の割戻しを受け、差額は現金で支払った。

(買 掛 金)   500 / (現  金)  490

            / (仕  入)   10

(2)売上割戻しの仕訳

売上割戻しを行った場合、その分だけ『売上』(収益)を減額します。

 

例)得意先が大量に仕入れてくれたため、売掛金¥500につき、¥10の割戻しを行い、差額は現金で受け取った。

(現  金)   490 / (売 掛 金)  590

(売  上)    10 /