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今回は本支店会計について説明します。
1.本支店会計とは
会社の規模が大きくなるにつれて、支店を設置し、支店でも営業活動を営む場合があります。このような本店と支店がある場合の帳簿の記入方法を本支店会計といいます。
本支店会計には、本店と支店の取引をどのように記入するかによって「本店集中会計制度」と「支店独立会計制度」があります。
本店集中会計制度は、本店だけに帳簿をおいて、支店の取引も含め全ての取引を本店で一括して記入する方法です。これに対して、支店独立会計制度は、本店・支店それぞれに独立した帳簿をおいて、それぞれ自らが行った取引を各自帳簿に記入する方法です。
試験では、支店独立会計制度を前提とした処理が問われますので、こちらを前提として説明していきます。
2.『支店』勘定と『本店』勘定
本店、支店がそれぞれ会社外部と行った取引は通常通り処理し、それぞれの帳簿に記入します。しかし、本店と支店の間で行われた取引、つまり会社内部で行われた取引は、内部取引だと分けるように特殊な処理を行います。
ここで使用される勘定が『支店』勘定と『本店』勘定です。
本店の帳簿には『支店』勘定が設定され、支店との取引はこの勘定を用いて処理します。
これに対し、支店の帳簿には『本店』勘定が設定され、本店との取引はこの勘定を用いて処理します。
例)本店は支店に現金¥1,000を送付した。なお、支店では直ちにこれを受領した。
◆本店の仕訳
(支 店) 1,000 /(現 金) 1,000
本店では支店に現金¥1,000を送付しているため、現金¥1,000が減少しています。そのため、『現金』(資産)の減少として処理します。相手勘定には、これが支店との内部取引だということが分かるように『支店』勘定を使用します。
◆支店の仕訳
(現 金) 1,000 /(本 店) 1,000
支店では本店から現金¥1,000を受領しているため、現金¥1,000が増加しています。そのため、『現金』(資産)の増加として処理します。相手勘定には、これが本店との内部取引だということが分かるように『本店』勘定を使用します。
【ポイント】
上記の仕訳を合算してみると以下のようになります。
(支 店) 1,000 /(現 金) 1,000
(現 金) 1,000 /(本 店) 1,000
現金は同額が貸借に出てきますのでこれを相殺すると以下のようになります。
(支 店) 1,000 /(本 店) 1,000
このように、『支店』勘定と『本店』勘定は、貸借逆で必ず一致します。
この結論はしっかり覚えておいて下さい。