[ad#co-1]

今回は社債について説明します。

1.社債とは

株式会社は、社債を発行することで資金調達を行うことができます。

すなわち、社債を発行し、一般の人々に買ってもらうことによって資金を集めることができ、これに伴い、会社は一定期間(償還期間)が過ぎたら社債を持っている人に対しお金を返済しなければなりません。つまり、社債という証券をつかって借入れを行っているのと同じ状態なのです。

なお、今回は社債を発行した側の処理をみていきますが、社債を購入した側では、有価証券の購入に該当するため、その保有目的に従って処理(売買目的有価証券・満期保有目的債権など)されることとなります。

2.社債発行時の処理

社債を発行した場合、借入れを行ったのと同じ状態であるため、払込金額を『社債』(負債)として処理します。

社債を発行する際に、紹介会社に対する手数料等の表を支払った場合には、『社債発行費』として処理(原則は費用処理)します。

なお、社債発行費は繰延資産として処理することが認められており、繰延資産として計上した場合には、社債の償還期間内に償却します。

社債は1口、2口・・・と数えられ、「額面¥100あたりいくらで購入した」という表現で出題されます。例えばA社が社債(額面金額¥1,000)を額面¥100あたり¥97で発行したという場合、『社債』(負債)として計上すべき払込金額は¥1,000 ÷ ¥100× ¥97 = ¥970となります。

例)×4年4月1日(期首)において、社債(額面金額¥10,000)を額面¥100につき¥94で発行し、払込金額は当座預金に振り込まれた。また、その際に証券会社に対して手数料¥500を現金で支払った。

(当座預金)  9,400 /(社   債)  9,400※

(社債発行費)  500 /(現   金)   500

※ ¥9,400 = ¥10,000 ÷ ¥100× ¥94

3.社債に関する利息支払時の処理

前述したように社債は借入れと同様の状態、つまり借入れの一種なので、会社は社債の所有者に対して、期間に対応する利息を支払うことになります。

社債の発行時の処理を考えると、社債の額面金額と実際の払込金額が異なりますが、利息を計算する場合には、社債の額面金額に利率を掛けて計算します。

そして、会社が利息を支払った場合には、『社債利息』(費用)として処理します。

なお、期中に社債を発行した場合には利息の月割計算が必要となります。

例)×4年9月30日(利払日)に、社債(額面金額¥10,000、年利率2%、利払日は9月末日・3月末日の年2回)の利息を現金で支払った。

(社債利息)  100※ /(現  金)  100

※ ¥100 = ¥10,000 × 2% × 6ヶ月 ÷ 12ヶ月