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はじめに
今日は少し趣向をかえて損益計算書の利益の話をしたいと思います。
「会社の利益」というと皆さんはなにを思い浮かべるでしょうか?
売上?当期純利益?…そう、簿記のもと表示される利益は実はいくつかあります。
売上高、売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、税引後当期純利益と思いつくままに数えただけでも実に6つもでてきました。
このそれぞれの利益ですが、当然違った意味をもっています。
それぞれの利益の意味を確認してみましょう
売上高:その名の通り商品やサービスを提供して相手先に売上げた金額を表す利益です。
売上総利益:一般に粗利とも呼ばれています。売上から売上原価を差引いて計算されます。売上原価は売上げと直接結びつくコストを集計したものです。要はその商品を売り上げた時にいくら利益がでたのかを表す利益です。
営業利益:上記の売上総利益から販売費及び一般管理費を引いたものです。売上を生むためにかかった費用のうち直接的なものは売上原価で控除していましたが、さらに売上げを生むために間接的にかかった費用(管理部門の人の人件費など)を差引いたものです。一言でいうと、「本業で得た利益」ということになります。
経常利益:毎期繰り返し行われる事業活動の結果得られる利益のことです。営業利益との違いは「本業で得た利益」以外も含まれるということです。
税引前当期純利益:経常利益からその期に特別生じた損益を調整した利益です。
税引後当期純利益:税引前当期純利益から税金費用を除いた利益です。
ポイントは状況により見る利益を変えることです
ダダッといろいろな利益を挙げてみました。
日商簿記試験を受験することを目的としているのなら、この知識だけで十分です。
ただ、折角簿記の勉強をしているので、この利益の概念がどう生かされるか考えてみましょう。
すなわち、簿記を利用して損益計算書を作ることから離れて損益計算書を通して会社の分析をしてみましょう。
例えば、新聞ではよく売上高と当期純利益が会社の業績として載っています。
まずは売上高ですが、これは会社の規模感を知るためにはもってこいの数値です。
売上が100億とか200億とか金額として明確にその会社の規模が分かります。
同業の他社と比べると更にその会社の業界での順位が分かったりもします。
その上で前年度の売上高と当年度の売上高を並べていくら増減したかを比べるとその会社が最近好調でいっぱい商品が売れているとか、新しい事業を始めたんだなとかいろいろわかります。
次に当期純利益がいくら増えたかですが、これは最終的に会社がどのくらい儲かったのかを表します。
いつもの事業から生じる利益の他に、突然発生した臨時的な損益も加味して最終的に当期どのくらい利益を計上できたかということを表しています。
こちらも前期からいくら増加したかを比べると会社の状況がわかりやすいと思います。
今日のまとめ
このように利益にもいろいろな概念があり、それを比べればその会社のいろいろな実態が見えてきたりします。
簿記の勉強ではどうしても損益計算書を作成することに主眼が置かれてしまいますが、たまにはそこから離れて分析するツールとして普段勉強している簿記を使うと面白いかもしれませんね。
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