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今回は、荷為替手形について説明します。
荷為替手形とは
まずは荷為替手形がどういうものなのかという所からです。
例えば、遠方の取引先に対し商品を販売し、この商品を船便で送るような場合、普通は先方にこの商品が到着するまで代金を支払ってもらうことはできませんよね。
このような場合に代金を早く受け取る方法として用いられるのが、荷為替手形です。
どういう流れで代金を受け取るかというと、商品を船便で送るときには運送業者から船荷証券(貨物代表証券)を受け取ります。この受け取った貨物代表証券を担保として、自己受為替手形を振出し、この自己受為替手形を銀行で割り引くことで現金を受け取ることができます。これを荷為替の取組みといいます。
※船荷証券(貨物代表証券)を忘れた方は、「特殊商品売買 その2『未着品売買』
もう少し噛み砕いて説明すると、商品を購入した取引先にお願いして、取引先支払い・当社受け取りの為替手形を自ら振り出します。そして、この手形を銀行で割り引くことで、商品の到着を待たずに代金(又は代金の一部)現金化することが出来ます。
簡潔に言えば、代金の一部を手形化して、その手形を銀行に買ってもらうってことですね。
まずはこの取引のイメージをしっかり覚えて下さい。
荷為替手形の仕訳
荷為替手形の仕訳を説明していきます。
荷為替を取り組んだ場合は、自己受為替手形の振出しと、当該自己受為替手形の割引の処理を行います。
例)A社はZ社へ商品¥3,000を船便で発送し、その際、取引銀行で額面¥2,000の荷為替を取り組み、割引料¥200を差し引かれた残額¥1,800が当座預金に振り込まれた。
(売 掛 金) 1,000 / (売 上) 3,000
(手形売却損) 200 /
(当 座 預 金) 1,800 /
【解説】
上記の仕訳は①自己受為替手形の振出しの仕訳と、②自己受為替手形の割引の仕訳を合算した仕訳です。
①自己受為替手形の振出しの仕訳
(売 掛 金) 1,000 / (売 上) 3,000
(受 取 手 形) 2,000 /
②自己受為替手形の割引の仕訳
(手形売却損) 200 / (受 取 手 形) 2,000
(当 座 預 金) 1,800 /
①と②の赤字の部分を相殺すると解答の仕訳になります。
次は逆に、荷為替を引き受けた側の処理を説明します。
引き受けた側の処理はとても簡単です。
荷為替を引き受けるというのは、つまり為替手形を引き受けるということなので、これに対応する部分を『支払手形』(負債)で処理すればいいだけですね。
例)Z社はA社に商品¥3,000を注文したところ、銀行から荷為替手形¥2,000の引受を求められたためこれを引受け、貨物代表証券¥3,000を受け取った。なお、当該商品はいまだ到着していない。
(未 着 品) 3,000 / (支 払 手 形) 2,000
/ (買 掛 金) 1,000
荷為替手形は為替手形の応用なので、為替手形が苦手な人(とても多いです)は、まずは為替手形をしっかり復習して下さいね。