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今回は特殊商品販売のうち、割賦販売について説明します。

割賦販売というのは、まずお客さんに商品を引渡し、代金を分割で受け取る販売形態のことです。

逆に買手からみれば、代金を分割払いで購入するという取引ですね。

割賦販売は、商品の引渡しと同時に、代金を受け取らないため、いつ収益を認識するかでいくつかの考え方があります。

今回はそのうち、「販売基準」と「回収基準」について紹介していきます。

まずおさえて欲しいのは、これらの基準は収益をいつ計上するかの基準であるということ。

このことと、販売基準・回収基準、それぞれの名前を考えれば自然に各基準がどのような基準なのか見えてきませんか?

そうです。

販売基準は、販売時に収益を計上するという基準。

これに対して回収基準は、回収時に収益を計上するという基準。

初めにこのイメージをしっかり覚えておいて下さいね。

それでは販売基準の処理をみていきましょう。

先程説明したように、販売基準では、お客さんに商品を販売したとき、つまり商品を引き渡したときに『割賦売上』(収益)を計上します。

そして代金はあとで受け取るため、いつもなら『売掛金』(資産)として処理するところですが、ここで注意です。

この割賦販売は、通常の掛取引よりも代金の回収に時間がかかるんです。

そのため、1ヶ月〜2ヶ月程度で回収できる通常の売掛金と区別しておくため、割賦販売の場合には、『割賦売掛金』(資産)で処理します。

例)原価¥2,500の商品を¥4,000で販売し、代金は5回の均等払いで受け取ることとした。なお、収益の計上は販売基準によること。

(割賦売掛金)  4,000 / (割賦売上)  4,000

後日、代金を回収することになりますが、代金を回収したときには、回収した分だけ『割賦売掛金』(資産)を減額します。

例)以前割賦販売していた商品(原価:¥2,500 売価:¥4,000 5回の均等払い)に関して、3回目の代金を現金で回収した。

(現   金)   800 / (割賦売掛金)   800

販売基準は、商品引渡時に収益を計上し、代金の回収の都度、『割賦売掛金』(資産)を取り崩すという処理なので、通常の商品売買の処理とほぼ同じイメージですよね。

割賦販売で特徴的なのは、実は回収基準による処理なんです。

この回収基準の処理には、対照勘定法と未実現利益控除法という2つの処理方法があります。

この回収基準については、「特殊商品売買 その8『割賦販売』<回収基準>」で説明します。