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簿記を勉強していると色々な壁にぶち当たると思いますが、今回お話する減価償却も、そんな壁の1つかもしれません。

ただ計算して減価償却費の金額を求めるだけなら大丈夫って人は多いかと思います。

しかし、「減価償却とは何か?どうして減価償却をするのか?」と問われて、その意義と理由をサラッと答えられる人は少ないことでしょう。

計算さえできれば試験は合格できるわけですが、せっかくですから計算の理論的背景もキッチリ理解しちゃいましょう。

今回は『減価償却をマスターしよう!』と題して、減価償却の考え方などを何回かに分けてお話したいと思います。

まずはテキストの内容をおさらいしましょう。

テキストでは次のような説明があります。

建物や備品など、土地以外の固定資産は使用すれば劣化などにより価値が低下(「減価」)するため、減価償却という手続きが必要となります。減価償却は、この減少した価値部分を当期の収益と対応させるために費用に計上する手続きであり、具体的には、資産に計上されている固定資産の帳簿価額の一部を『減価償却費』(費用)として処理します。

どうでしょうか。

これだけだと、少し難しいかもしれませんね。

テキストはあくまでも、試験に最速で合格していただくために必要最小限の情報のみを凝縮していますので、「理解する」という点ではいささか不親切な点があることは否めません。

そこで、この場を利用してテキストの内容の補完、すなわち「理解する」ための情報も提供していきたいと思います。

と、少し話が減価償却から脱線してしまいましたね。

話を再び減価償却に戻しましょう。

~減価償却とは何か?どうして減価償却をするのか?~

例えば、新しい車を買ってきたとしましょう。

初めは当然ツルツルのピカピカです。

しかし、乗れば乗るほどボロくなってしまいますよね。

このようにボロくなることを劣化といいます。

それでは、この車の価値に着目してみましょう。

買ったばかりの新品状態のときと、10年乗って10万キロ走行した後では、どちらの方が価値があるでしょうか。

もちろん新品状態のときの方が価値がありますよね。

車は乗れば乗るほど劣化し、価値が低下するわけです。

このように、資産の価値が低下することを「減価」といいます

そして、減価している状態を財務諸表に正しく表現するために、減価償却が必要となるのです。

減価償却をすることで、その分だけ貸借対照表の資産の金額は小さくなり、減価している状態を正しく表現することができるわけですね。

いかがでしたでしょうか。

今回は『減価償却をマスターしよう!』の第1回目として、「減価償却とは何か?どうして減価償却をするのか?」という点を、資産の「価値」という視点からお話しました。

次回は第2回目として、今回と同じテーマである「減価償却とは何か?どうして減価償却をするのか?」という点を、「損益」という視点からお話したいと思います。