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今回は固定資産の除却・廃棄について説明します。
1.固定資産の除却・廃棄とは
事業に使っていた固定資産は、年数が経てばやがて使えなくなり、事業用として使うのをやめたり、捨てることになります。
それまで使っていた固定資産を事業用として使うのをやめ倉庫で保管しておくことを「除却」といい、それまで使っていた固定資産を捨てることを「廃棄」といいます。
2.固定資産を除却した場合の会計処理
固定資産を除却した場合、当該固定資産の帳簿価額を減額します。
このとき、除却した固定資産に処分価値がある場合、つまり売ることができる場合は、その評価額(処分価額)を見積り『貯蔵品』(資産)として処理します。
そして固定資産の帳簿価額と処分価額の差額は『固定資産除却損』(費用)または『固定資産除却益』(収益)で処理します。
ちなみに、処分価値が無い場合は、処分価額をゼロとして考えればよく、この場合、固定資産の帳簿価額がそのまま『固定資産除却損』(費用)となります。
例)当期首において、車両(取得原価¥5,000、減価償却累計額¥4,000、間接法により記帳)を除却した。なお、当該車両には¥600の処分価値が見積もられている。
(減価償却累計額) 4,000 / (車 両 運 搬 具) 5,000
(貯 蔵 品) 600 /
(固定資産除却損) 400 /
3.固定資産を廃棄した場合の会計処理
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固定資産を廃棄した場合も、除却した場合と同様、固定資産の帳簿価額を減額します。
そして、廃棄とは固定資産を捨てることなので、この場合には処分価値というものが存在しません。
したがって、除却資産の帳簿価額の全額を、『固定資産廃棄損』(費用)で処理します。
例)当期末において、備品(取得原価¥3,000、減価償却累計額¥2,000、間接法により記帳)を廃棄した。なお、減価償却累計額に当期分の減価償却費は含まれていない。
当該備品は当期首以前に取得し、残存価額はゼロ、耐用年数は6年、定額法により減価償却を行っている。
(減価償却累計額) 2,000 / (車 両 運 搬 具) 3,000
(減 価 償 却 費) 500※① /
(固定資産廃棄損) 500 /
※① ¥3,000 ÷ 6年 = ¥500
固定資産の撤去費用(除却費用・廃棄費用)の会計処理
固定資産の除却や廃棄にあたり、撤去費用がかかる場合があります。
撤去費用(除却費用・廃棄費用)がかかった場合は、その金額を『固定資産除却損』(費用)または『固定資産廃棄損』(費用)に含めて処理します。
つまり、この費用の金額だけ『固定資産除却損』(費用)または『固定資産廃棄損』(費用)の金額が大きくなるということです。
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