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今回は固定資産に関する支出である資本的支出と収益的支出について説明します。
1.資本的支出・収益的支出の意味・違いとは
固定資産に関する支出には、資本的支出と収益的支出があります。
資本的支出とは
資本的支出とは、固定資産の価値を高めるため支出をいいます。
資本的支出には、たとえば、建物に非常用階段やスプリンクラーなどの設備を設置する場合があります。
非常用階段やスプリンクラーを付ければ建物自体の価値を高めることになるため、資本的支出に該当することになります。
収益的支出とは
収益的支出とは、固定資産の機能維持のための支出をいいます。
収益的支出には、たとえば、壁のひび割れの修理や壊れた扉を直したりする場合があります。
壊れた扉を直すことは、建物の機能を元に戻した(機能を維持した)だけであり、新たな価値を付加したわけではないので、このような支出は収益的支出となります。
2.資本的支出・収益的支出の仕訳
資本的支出は、固定資産の価値を高める支出であるため、当該支出額は固定資産の取得原価に加算します。
これに対し、固定資産の機能を維持するための支出である収益的支出は、支出時に全額『修繕費』(費用)として処理します。
つまり、資本的支出に該当すれば資産計上、収益的支出に該当すれば費用計上というように処理が変わってきます。
例)建物の修理・改良のために¥10,000を小切手を振り出して支払った。なお、当該支出のうち¥4,000は資本的支出であり、¥6,000は収益的支出であった。
(建 物) 4,000 / (当座預金) 10,000
(修 繕 費) 6,000 /
3.資本的支出と収益的支出の試験でのポイント
資本的支出と収益的支出の試験でのポイントは、固定資産に関する支出が資本的支出と収益的支出のいずれに該当するかを見極められるかどうかです。
見極めのポイントはズバリ!!
「価値が高まったかどうか(新たな価値が付加されたかどうか)」です。
例えば、建物の壁を修理・改良したと一言でいっても、ひび割れ等を直して壁紙を張り替えただけであれば収益的支出と判断することになり、壁を防火壁にしたのであれば資本的支出と判断することになります。
資本的支出に該当する後者の場合は、防火という新たな機能が付加されていますよね。
このように、固定資産に対する支出が資本的支出と収益的支出のいずれに該当するのか判断できれば、あとは取得原価に加算して資産計上するか、支出時に『修繕費』(費用)とするかは簡単にわかりますよね。
資本的支出と収益的支出のいずれに該当するのか見極めるポイントをしっかり覚えておきましょう!
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