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今回は合併について説明します。

1.合併とは

合併とは、会社の競争力強化や市場占有率(シェア)拡大などの目的で、複数の会社が1つの会社になることをいいます。

この合併には、新設合併吸収合併という2種類の方法があります。

新設合併とは、既存の会社がいったん解散し、その財産を新たに新設した会社に移すことで1つの会社となる方法をいいます。文字通り、新しい会社を新設して合併する方法です。

これに対し、吸収合併とは合併する会社のうち、存続する1社以外を解散し、その財産を存続会社に移すことで1つの会社となる方法をいいます。つまり、存続会社が他の消滅する会社を吸収して合併する方法です。

例えば、A社とB社が合併する場合、新設合併であればA社・B社いずれも解散し、新たにC社を新設して活動することになり、吸収合併であれば、A社またはB社のいずれかが解散し、存続する会社はそのままA社(またはB社)として活動することになります。

日本では、吸収合併による合併がほとんどであり、試験でも吸収合併について出題されるので、吸収合併を前提として説明していきます。

2.吸収合併の処理

吸収合併において、他社を吸収し存続する会社を合併会社(または存続会社)といい、他社に吸収され消滅する会社を被合併会社(または消滅会社)といいます。

ここからはA社とB社の吸収合併を前提に説明していきます。なお、合併会社をA社、被合併会社をB社とします。

吸収合併をした場合、合併会社であるA社は被合併会社であるB社の財産(資産・負債)を受け入れることになりますが、この資産・負債はそのときの時価で受け入れます。つまり、A社において資産と負債を(時価で)増加させる処理を行います。

また、A社は合併の対価として、B社の株主にA社の株式を発行するので、新株の発行の処理を行います。つまり、対価として交付した株式の時価だけ、資本金(または資本金・資本準備金)を増加させる処理を行います。

(諸 資 産)  ×× / (諸 負 債)  ××

            / (資本金など)  ××

このとき、受け入れた純資産(=諸資産−諸負債)と増加する資本金など(交付した株式の時価)が異なる場合があり、①増加する資本金などの方が大きい場合と、②増加する資本金などの方が小さい場合に分けて処理を説明します。

①受け入れた純資産<増加する資本金など

受け入れた純資産より増加する資本金などの方が大きい場合、つまり、借方に差額が生じる場合、当該差額は『のれん』(資産)として処理します。

(諸 資 産)  ×× / (諸 負 債)  ××

(の れ ん)  ×× / (資本金など)  ××

②受け入れた純資産>増加する資本金など

受け入れた純資産より増加する資本金などの方が小さい場合、つまり、貸方に差額が生じる場合、当該差額は『不ののれん発生益』(収益)として処理します。

(諸 資 産)  ×× / (諸 負 債)    ××

            / (資本金など)    ××

            / (負ののれん発生益) ××

例)A社は市場占有率強化を目的としてB社を吸収合併し、新株10株を時価@¥800で発行した。なお、新株の発行に伴う資本金の額は会社法による原則的な金額とする。

また、B社における資産・負債の時価は下記の通りである。

【B社】売掛金:¥3,000、建物:8,000、買掛金:5,000

(売 掛 金)  3,000   / (買 掛 金)  5,000

(建   物)  8,000   / (資 本 金)  8,000※①

(の れ ん)  2,000※② /

※① 8,000=10株×¥800

※② 貸借差額

(解説)

本問では、受け入れた純資産¥6,000(¥3,000+¥8,000−¥5,000)より、増加する資本金¥8,000の方が大きいため、借方に出てくる差額を『のれん』(資産)として処理します。

3.のれんの処理

吸収合併において発生した『のれん』(資産)は、20年以内の期間で償却します。

例)決算において、当期首に実施した吸収合併により発生したのれん¥2,000の償却を行った。なお、償却期間は20年とする。

(のれん償却)  100 / (の れ ん)  100