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第6節 資本金と引出金

1.資本金

り:第6節、資本金と引出金について勉強するよ。

ケ:ん~、これまでのと違って、聞きなれない言葉だなぁ。難しそう。

り:たしかに普段使わない言葉だよね。だけど、処理は簡単だから大丈夫だよ。まずは資本金から見ていこう。お店をはじめるときにお店にお金やモノを渡すことを“出資”とか“資本の元入れ”というんだけど、このとき渡したお金やモノのことを“資本金”というんだよ。仕訳を行うときにも“資本金”という純資産の勘定科目を使うよ。

ケ:お店をはじめるには元手が必要だから、最初にお金やモノを渡すんだね。そして、元手として渡したお金やモノのことを資本金といって、仕訳でも資本金という勘定科目を使うんだね。

り:そう。それじゃ、例8-17で仕訳を確認しよう。お店の開業にあたり、現金500円と時価1000円の車両を元入れした、とあるね。仕訳はお店の立場で行うから、単純に現金と車両を受け取ったという処理をすればOKだよ。そして、反対側に資本金を記入すれば完成。

ケ:それなら簡単だね。現金500円と車両1000円を受け取ったんだから、借方は現金500円と車両運搬具1000円。そして、反対側、つまり貸方は資本金1500円だね。

り:ね、簡単でしょ。元入れをしたときの処理はこれだけだよ。次に進もう。

2.引出金

り:次は引出金についてみていくよ。お店のお金や商品を私用で使うことを資本の引出しといって、資本の引出しを行ったときには“引出金”という勘定科目で処理するか、“資本金”を減らす処理をするよ。

ケ:処理が2パターンあるんだね。ところで、どんなときに資本の引出しをするの?

り:いろんなケースが考えられるけど、具体例としては、子どもの学費や、お店の主人が個人的に負担すべき水道光熱費や自動車税などをお店のお金で支払う場合なんかがあるね。ちなみに、水道光熱費や自動車税のうち、お店が負担すべき部分については“水道光熱費”や“租税公課”っていう費用の勘定科目で処理するよ。

ケ:じゃあお店のお金で美味しいものを食べに行っちゃったら資本の引き出しにあたるってことだね。

り:うん。お店のお金はあくまでお店のものだからね。それじゃ、例8-18で処理を確認しよう。水道光熱費1000円を現金で支払った。なお、このうち300円については店主の個人的な負担分であった、という事例だね。処理の方法は2パターンあるから、どちらもしっかりおさえてね。まずは引出金勘定で処理する方法から確認しよう。現金1000円を支払っているから、貸方・現金1000円だね。問題は借方側だけど、水道光熱費1000円のうち、300円はお店の主人の個人的な負担分だから、この部分を引出金で処理するよ。そして残りの700円はお店の負担分ってことになるから、この部分は水道光熱費で処理だね。だから、借方は水道光熱費700円と引出金300円と記入するよ。

ケ:お店の負担分とお店の主人の個人的な負担分とに分けて処理するんだね。

り:そう。そこがポイントだね。次に、もう1つのパターン、資本金勘定で処理する方法を確認しよう。・・・といっても、さっきの引出金勘定で処理した部分を資本金勘定で処理するだけなんだ。

ケ:え・・・てことは、貸方・現金1000円、借方・水道光熱費700円、資本金300円ってこと?

り:うん、正解。

ケ:なーんだ。2パターンあるといっても、使う勘定科目が違うだけだから簡単だね。

り:そうだね。ただ、引出金で処理した場合には、決算において必要な処理が出てくるから注意してね。具体的には、決算において引出金勘定から資本金勘定に振り替える処理が必要なんだ。引出金勘定は資本金勘定のマイナスを意味する勘定だから、決算で引出金勘定の金額分だけ資本金勘定を減らす必要があるんだね。例8-19をみてね。決算において、例8-18で処理した引出金を資本金に振り替えた、とあるね。

ケ:例8-18では引出金を借方に記入していたから、資本金に振り替えるときは貸方に記入だよね。つまり、貸方・引出金300円。そして、引出金の金額分だけ資本金を減らすから、借方に資本金300円と記入だね。

り:その通り。さっきもいったけど、決算で資本金勘定に振り替える処理が必要なのは、資本を引き出したときに引出金勘定で処理していた場合だけだからね。

ケ:あ~、資本金勘定で処理していた場合は最初から資本金勘定を使っているわけだから、決算で振り替えるなんて処理は当然でてこないよね。

り:そういうことだね。これで第6節の内容はオシマイだよ。それじゃ、今回はここまで。次回もがんばろうね。

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