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2.当座借越の処理(前回の続き)

り:前回は一勘定制の処理について勉強したね。今回は二勘定制の処理について勉強するよ。二勘定制の場合は、『当座預金』と『当座借越』の2つの勘定科目を使って処理する方法だったよね。この2つは、当座預金残高がプラスの場合は『当座預金』勘定を、マイナスの場合は『当座借越』勘定を使うっていうイメージを持ってね

ケ:プラスの場合が『当座預金』勘定で、マイナスの場合が『当座借越』勘定?

り:そう。例2-9でみていくけど、まず、借方の支払手数料は一勘定制の場合と同じだね。そして貸方だけど、当座預金口座の残高は300円だから、このプラスの部分は当座預金勘定の減少として処理するんだ。つまり、「貸方・当座預金300円」と記入するんだ。この段階で当座預金残高は0になっちゃうから、これ以上、当座預金勘定を減少させることはできないよね。でも今のままだと、借方500円、貸方300円だから、あと200円貸方に記入しないと仕訳が完成しないよね。

ケ:そうだね。仕訳は借方と貸方の金額が同じにならなきゃいけないもんね。

り:そう。この残りの200円の部分は『当座借越』勘定で処理するんだ。つまり、「貸方・当座借越200円」と記入するんだよ。さっき当座預金がマイナスのときは『当座借越』で処理するって言ったけど、今回、当座預金口座がマイナス200円になってるから、「当座借越200円」っていう仕訳が出てきてるよね。

ケ:ホントだ!でもさぁ、当座借越の処理の仕方が2通りあると、どちらの処理をするかで結果が違っちゃうんじゃない?

り:実は、この2つの処理は結果として同じ状態を示しているんだ。例2-9で説明すると、一勘定制の場合には、当座勘定の残高が初めに借方300円あって、仕訳で貸方に500円記入したよね。だから結果として、貸方に200円という残高になるんだ。次に二勘定制だけど、当座預金勘定の残高が初めに借方300円あったんだけど、仕訳で貸方に300円記入したからこの段階で残高はゼロになってるよね。そして、当座借越勘定を貸方に200円記入したから、結果として、貸方200円という残高になってるんだ。

ケ:ホントだ。どっちも残高は貸方200円になってるね。でも…、勘定科目が『当座』と『当座借越』で違っちゃってるよ。

り:うん。名前は違うけど、実はどちらも意味合いは同じなんだ。二勘定制の『当座借越』は、当座預金口座がマイナスの場合なんだって話したよね。だから、当座借越200円っていうことは当座預金口座がマイナス200円ってことなんだ。これに対して一勘定制の場合、当座勘定が貸方残高の場合、当座預金口座がマイナスになっていることを意味するんだ。だから、当座勘定が貸方に200円あるってことは、当座預金口座がマイナス200円ってことなんだ。ねっ、どちらもマイナス200円で同じでしょ。

ケ:ホントだ!

り:どっちの処理でやっても結果は同じだと覚えておいてね。じゃあ、次は例2-10で当座預金の残高がマイナスからプラスになる場合の処理を説明するよ。例2-10は、例2-9の状態、つまり、当座預金の残高がマイナス200円の状態から、現金1,000円を預け入れた場合なんだ。

ケ:現金を1,000円預け入れたってことは、貸方に現金1,000円だよね。

り:そう。どちらの方法でもその処理は同じだね。じゃあ、一勘定制の場合の現金の相手勘定は?

ケ:『当座』勘定しか使わないんだから、もちろん「借方・当座1,000円」だよね。

り:正解!じゃあ、二勘定制の場合は?

ケ:え~っと・・・。

り:こっちの方は少し難しいよね。まず、二勘定制の場合は貸方に当座借越200円の状態から始まるんだから、これをゼロに戻さないといけないんだ。ということは?

ケ:・・・借方に当座借越200円?

り:そう。そして、残り800円分は当座預金がプラスの状態になるんだから、「借方・当座預金800円」になるんだ。どう?一つ一つ考えていけば、そんなに難しくはないでしょ。

ケ:そうだね。当座預金がゼロの状態で一旦区切って考えれば簡単そうだね。

り:うん。そのイメージで考えるといいよ。例2-10も、当座預金の残高が800円の状態を示してるっていうのは同じだから、さっきと同じように2つの処理方法の結果を自分で比べてみてね。

ケ:わかったよ。

り:よし、今回はここまで!次回は第5節で小口現金についてみていくよ。

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