今回は繰延資産について説明します。

1.繰延資産とは何なのか?勘定科目は?

繰延資産とは、通常は費用として処理するはずのものであるにもかかわらず、会計上、特別に資産として計上することができる費用のことをいいます。

つまり繰延資産は、言い換えたら繰り延べた費用のことなんです。

 

繰延資産は通常は費用として処理するはずのものなので、原則は費用処理となります。

そして資産として計上する繰延資産の処理は例外として認められているということに注意して下さい。

 

さて、当たり前の話ですが全ての費用に対してこの繰延資産として資産計上する処理が認められるわけではありません。

認められるのは以下の5つなのでしっかり暗記しましょう。

  1. 創 立 費・・・会社を設立するまでにかかった費用
  2. 開 業 費・・・会社の設立後、開業までにかかった費用
  3. 株式交付費・・・新株を発行する際にかかった費用
  4. 社債発行費・・・社債を発行する際にかかった費用
  5. 開 発 費・・・新技術の採用、資源の開発等にかかった費用

 

これらの費用を支出したときには繰延資産として資産計上する処理が認められます。

しかし、原則は費用処理!!これは覚えておいて下さい。

2.繰延資産の会計処理①費用の支出時の仕訳

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創立費など、繰延資産として処理出来る費用を支出し、繰延資産として処理する場合には、支出した金額を『創立費』(資産)などの勘定科目で処理します。

 

例)会社の設立費用¥5,000を現金により支払った。なお、当該費用は繰延資産として処理すること。

(創 立 費)  5,000 / (現   金)  5,000

3.繰延資産の会計処理②決算時の償却の仕訳

創立費などの費用を繰延資産として処理した場合、決算時に償却を行う必要があります。

償却方法は無形固定資産の場合と同様です。

つまり、①償却方法は定額法、②残存価額はゼロ、③記帳方法は直接法ですね。

 

償却するときの勘定科目は、『創立費償却』(費用)など、繰延資産の科目名に「償却」という言葉をつけた勘定科目を使います。

償却期間に関しては次のように決められていますが、試験では問題文に与えられることがほとんどなので、指示に従って解答すれば大丈夫です。

ただし、繰延資産を期中に取得した場合には、月割計算が必要となるので注意して下さい。

  1. 創 立 費・・・5年以内
  2. 開 業 費・・・5年以内
  3. 株式交付費・・・3年以内
  4. 社債発行費・・・社債の償還期間内
  5. 開 発 費・・・5年以内

 

例)決算において、開発費¥5,000(償却期間5年)を償却する。なお、当該費用は当期の10月1日に支払ったものであり、会計期間は4月1日から3月31日までである。

(開発費償却)   500 / (開 発 費)   500※

※¥5,000÷5年×6ヶ月÷12ヶ月=¥500

4.開発費と研究開発費

繰延資産として処理できる費用の中に「開発費」がありました。これに似た支出に研究開発費という費用があります。

これは研究開発を目的とした支出で、当該支出については繰延資産処理が認められておらず、支出した全額を『研究開発費』(費用)として処理します。

 

例)研究開発のために、¥5,000の材料を購入し、代金は現金で支払った。

(研究開発費)  5,000 / (現   金)  5,000

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