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損益計算書の売上原価の説明

売上原価の算定の手順

売上原価の算定には2つのステップを踏みます。

①期中での仕入取引②期末での売上原価の集計取引です。

今回は①期中での仕入取引についての説明です。

まずは、次の5つの仕訳をおさえましょう。

商品購入時

売るための商品を購入することを「仕入れる」といい、商品を仕入れた場合『仕入』(費用)を認識します。

また、仕入代金をその場で現金や小切手で支払うのではなく、後払いとし商品を仕入れることを「掛仕入(掛で仕入れる)」といい、この場合には、代金を後で支払う義務が生じるため『買掛金』(負債)を認識します。

・例1

商品を100 円で仕入れ、代金は掛とした。

(借)仕入 100円/(貸)買掛金 100円

仕入諸掛り

商品を仕入れる際に、運送料や手数料などの費用がかかることがありますが、この費用のことを「仕入諸掛り」といいます。

仕入諸掛りは、当店(購入した側)と先方(販売した側)のいずれが負担するかによって処理が異なります。

仕入諸掛りを当店が負担する場合、『仕入』の金額(仕入原価)に含めて処理します。これに対し、先方が負担すべき仕入諸掛りを当店が立替払いした場合には、あとでお金を返してもらうことができる権利である『立替金』(資産)、または当店が負っているお金の支払義務の減少、すなわち『買掛金』(負債)の減少として処理します。

・例2

商品を100 円で仕入れ、代金は掛とした。なお、仕入れにかかった運送料10 円を現金で支払った。

・当社負担の場合

(借)仕入 100円/(貸)買掛金 100円
(借)仕入 10円/(貸)現金及び預金 10円

・先方負担(立替金処理)の場合

(借)仕入 100円/(貸)買掛金 100円
(借)立替金 10円/(貸)現金及び預金 10円

・先方負担(買掛金の減少処理)の場合

(借)仕入 90円/(貸)買掛金 90円
(借)仕入 10円/(貸)現金及び預金 10円

商品返品時

商品を仕入れた後に品違い等の理由で、商品を仕入先に戻すことがあります。このことを「仕入戻し(返品)」といいます。

仕入戻しがあった場合には、商品仕入時に認識した仕訳を取り消します。

・例3

以前、100 円で掛仕入した商品に一部品違いがあったため、50 円分を仕入先に戻した。

(借)買掛金 50円/(貸)仕入 50円

代金値引時

仕入れた商品に傷や汚れがあり、代金を一部まけてもらうことがあります。このことを「仕入値引」といいます。

仕入値引があった場合には、商品仕入時に認識した仕訳を取り消します。

代金値引時の処理は、商品返品時の処理と同様です。しかし、異なる取引なので、それぞれの取引のイメージはもてるようにしましょう。

・例4

以前、掛けで仕入れた商品に一部汚れがあったため、5 円の値引きを受けた。

(借)買掛金 5円/(貸)仕入 5円

買掛金決済時

商品を掛仕入した場合、その後代金を支払うことになります。このことを「買掛金の決済」といいます。

買掛金の決済を行った場合、代金を支払う義務が消滅するため『買掛金』(負債)を取り崩します。

・例5

買掛金100 円を小切手を振り出して支払った。

(借)買掛金 100円/(貸)現金及び預金 100円